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スマホ時代の「正しい消費者理解」、何を知るために、誰に聞くか?

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CMOが一同に会し、マーケターの仕事と未来を考えるイベント「CMO CLUB FORUM」が、2020年11月11日に都内で行われた。その中で、LINE インサイトリサーチ室 副室長の地福節子氏が登壇。講演内容をレポートする。

LINEは、スマートフォン専用リサーチプラットフォームの「LINEリサーチ」を提供している。同サービスは、2016年冬にリリース。現在は、534万人の属性情報を有するモニター型調査と月間8600万人(2020年9月時点)のLINEユーザーを対象としたオープン型調査の2つの型で、多種多様な実態把握調査が可能だ。

登壇したのは同社でインサイトリサーチ室副室長を務める地福節子氏。2012年に自社サービスの調査を目的としたリサーチサービスを立ち上げ、2016年にLINEリサーチとして事業化した経歴を持つ。そんな地福氏がLINEリサーチの3つの活用ポイントを紹介した。

スマホで完結し若年層モニターもカバー

まずひとつ目のポイントは、「『いま』の消費者を理解する」こと。トレンドに合わせた利用法について、他の調査会社との違いを交えて説明した。

スマホの登場により、情報取得が分断され細分化される現代。そんな環境下で育ったスマホネイティブ世代も、すでに社会人に差し掛かった。さらに、今年は新型コロナウイルス感染症が様々な影響を与えている。

地福氏は「過去10年と今年で、大きな変化が起こっている。価値観の変化が起こった今の時代に最適な調査は何か」と問う。急激な環境変化によって消費者の実態が見えにくくなるなか、モニター調査にも「スマホ普及後」や「ポストコロナ」時代への適応が求められているという。

モニター調査の勘所は、“何を知るために誰に聞くか”。しかし、「デバイスや生活様式が変わるときは回答者の環境も変わり、調査手法も変わる」というように、まずは現代の生活者を “正しく”理解するため、回答者の選定が重要だという。

現在の消費をけん引する世代にとって、日常生活でのメインデバイスはスマホ。情報も、前世代では想像できないような方法で取得している。地福氏も、「今の20代~30代の生活は、現在40代~50代の人たちが20~30代だったころとはまったく異なる」と認める。

 
その点LINEリサーチには強みがある。多くの利用者を抱えるLINEのメッセージによるアンケート配信をはじめ、モニター募集からアンケート回答まで、すべてスマホでしかも、日々多くの人が利用するLINEで完結する点だ。「LINEだと数問しか質問できないのか?」という問い合わせも多いというが、「本格的な戦略策定のための、十分なプラットフォームになっている」と、地福氏は自信を示す。

また、一般に、近年の調査モニターの若年登録者は減少傾向にある。旧来型の調査の仕組みでは、若年層への調査が難しくなっているのだ。しかし、LINEリサーチの会員属性は約534万人(2020年10月時点)の52%が29歳以下。若年層もしっかりとカバーしている。

 

さらに、回答者の65%は、他社のアンケートモニターに登録せずにLINEリサーチのアンケート会員にのみ登録している、“フレッシュモニター”となっている。“フレッシュモニター”はアンケート慣れしておらず、一般消費者の感覚に近い回答データが集まりやすいとされる。“フレッシュモニター”の割合の多いLINEリサーチの回答結果には、一般消費者との乖離が少ないという利点もある。

 
地福氏は「スマホネイティブ世代をはじめ、各年代固有のインサイトの把握ができます。若年層が生み出すビジネストレンドや空気感を把握して、ブランディングや事業開発、商品開発、コミュニケーションなどの各種マーケティング活動や戦略立案に活用してもらえれば」と話す。

リアルな生活者の声が分かる

二つ目の活用ポイントには「生活インフラならではの実態把握」が挙げられた。

LINEリサーチでは、モニター参加者にスマホで撮影した写真のアップロード依頼も可能。朝昼晩の食事内容を写真でアップロードしてもらう3食アンケートなど、「写真調査」として文字で説明しづらい事象も把握できるため、ソーシャルメディアとは異なる生活者のリアルが浮き彫りになる。

 
また、GPSのデータを使用する「ジオターゲッティング調査」では、調査したい地点の位置情報を抽出し、会員情報と突合して意識調査をかけることができる。そのため、実際の地域と結びついた生活圏調査が可能だ。

LINEのメッセージ配信を活用した調査も充実。「リアルタイム日記調査」では、LINEメッセージで指定した時間にアンケートを配信できる。日常生活の瞬間を切り取ることで、一定の期間での行動を聴取したいという要望に適した調査となる。

「メッセージが常時目につきやすいLINEを調査に活用することで、新しい切り口で調査ができ、過去には調査モニターには参加しなかったような層の参加により、聞ける回答者の幅も広がっています」と地福氏。

 
毎日使うことの多いコミュニケーションツール上で調査を実施できるため、日常のなかで、瞬時にその場の回答を回収ができ、今までと違う切り口の生活実態が把握できる。「生き生きとしたリアルな生活者の声から、どこにもないインサイトを発見できる」と、他社との違いにも言及した。

市場モニタリングにも最適

三つ目となる最後の活用ポイントは、「市場のモニタリング環境として利用する」。

地福氏は「LINEは毎日の連絡手段であるため、どの媒体・ツールよりもモニタリング環境としてのアクティブさが保証できると」という。実際にLINEは「活動世代」と言われる15歳~64歳に加えて、65歳以上・15歳未満にも利用者のカバーが広いことは月間利用者数が8600万人、その85%は日間アクティブであることからもみてとれる。

この活動世代を中心とした8600万人のLINEインフラにおいて、6%を占める調査モニターへの調査は、“サンプリングとして、最も市場モニタリングに適した環境”ともいえる。日本最大級のアプリをベースに、定点調査やカスタム調査を組み合わせることで、各アクションが「誰に」「どのくらい」効果があったかをリアルに追うことが可能となる。

 
また、地福氏はLINEリサーチを通して、LINE広告の効果を上げるシナジーも紹介。調査を通じて顧客セグメントや各種マーケティング施策の効果測定をすることで、広告が顧客へ浸透するまでの“最短経路の地図”をつくることにも役立つという。

広告がパソコンからスマホに移行していったように、モニター調査もアップデートの必要性が高まっている昨今。地福氏は最後に、スマホ時代とアフターコロナを見据え「LINEリサーチを、市場の疑似的なモニタリング環境とみなした時にさらに何ができるか。変化が激しい昨今に追いつく調査サービスとして、回答の質と早さで、事業戦略にリアルに役立つ実用性に迫りたいと思います」と講演を締めくくった。


LINE株式会社
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