都心に近く海と河川に囲まれた自然豊かな「親水」のまちとして親しまれてきた東京都江戸川区。同区は今、「2100年」を見据え「誰もが安心して自分らしく暮らせる」共生社会の実現を目指し、様々な取り組みを推進している。その背景と具体的な取り組みを聞いた。
「2100年」の未来を生きるビジョンを描く
江戸川区は2021年度、新たに「2100年」を見据え、共生社会の理念を明記した「(仮称)共生社会推進条例」や長期計画として「(仮称)共生社会ビジョン」などを策定する。
同区が2100年を見据える理由は、日本の人口がこの年に現在の約半分になると推計されているから(国立社会保障・人口問題研究所推計)。仮に、2021年に生まれた子が平均寿命を生きると、2100年を迎えることになる。そのため、「今日生まれた子、これから生まれてくる子のためにも、今から2100年に向けた未来を考えていかないと、将来世代に負担を先送りすることになる」と考えた。
「(仮称)共生社会ビジョン」推進の第一段階として、1300を超えるすべての事務事業を見直し、2030年までの世界的な達成目標である「SDGs(持続的な開発目標)」を一体的にリンクさせた「(仮称)共生社会=SDGsビジョン」を策定していく。さらに、より具体的な数値目標も設ける。
さらに、区民一人ひとりが「共生社会」や「SDGs」といった概念を知るだけでなく、自分事として行動につなげていくための新たなプロモーションを展開する。2021年度には「(仮称)共生社会推進条例」を分かりやすく表現した絵本の作成や啓発イベントなど、幅広く展開していく予定だ。
