音楽プロデューサー、小説家としても“恋愛”は創作のテーマであり続けている(ゲスト:松尾潔)【後編】

【前回コラム】「成り行きが生業に。そして奇跡に期待しない青い反抗心。(ゲスト:松尾潔)【中編】」はこちら

今週のゲストは、先週に引き続き、音楽プロデューサーの松尾潔さん。初の長編小説『永遠の仮眠』の続編はすでに構想中のようで……?

今回の登場人物紹介

今回のゲスト、松尾潔。

※本記事は4月4日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。

「お箸の国のR&Bをつくらなければ!」

中村

:音楽業界のことを全然知らない素人として聞いちゃうんですけど、「作曲お願いします」って言われたときと、「このアーティストの音楽プロデュースお願いします」と言われたとき、責任範囲やできることの範囲は変わってくるものなんですか?

松尾

:僕は基本的には新人の方を手がけることが多かったんですけど、新人の方とある程度キャリアのある方がリブランディングしたいというときとは、似て非なる仕事だなと思ってます。新人の場合はとにかく、ある程度の型をつくっておいてあげる。本人の資質とあまりに違うことをやらせるのはあれだけど、「ちょっと信じてやってみてよ」と、そこに乗せていくっていう感じですね。

中村

:松尾さんのプロデュースのストーリーというか、勝算みたいなものがあって?

権八

:リスナーの方で知らない方もいるかもしれないけど、松尾さんはSPEEDやMISIAさん、それから宇多田ヒカルさん、平井堅さんという名だたるアーティストに関わっていらっしゃる。

松尾

:関わり方はまちまちで。SPEED、MISIA、(宇多田)ヒカルちゃん、このあたりは、僕はプロデューサーではなくてブレーンの1人だったから、すごい気楽な立場でしたよ。逆にあの頃の方がアイデアはバンバン出しましたね。ヒカルちゃんだったら、お父さんの(宇多田)照實さんっていう素晴らしい音楽プロデューサーさんがいらっしゃるわけだから。逆に「こんなのやったらどうですか?」って、バジェットや現実性も考えずにどんどん言えたので、そういうのを当時は楽しんでましたね。年齢的には20代の終わりぐらい。あと、海外の事情に精通しているってことで、「そのエッセンスや直接的な人脈を紹介してくれないか」っていうような、音楽ジャーナリストとして得た経験の切り売りみたいな感じでした。

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