2021年9月9日と10日の2日間、セールスフォース・ドットコムはオンラインイベント「Connections to You」を開催した。「Connections to You」はマーケティングやEC領域のデジタルソリューションに特化した内容で、例年米国での開催を受けつつ、日本独自のコンテンツを交えたリアルのイベントとして実施されてきた。コロナ禍の影響で2020年は休止することとなったが、今年はアメリカで一部来場も認めて実施されたことを受け、日本での開催が実現した。アメリカでのコンテンツを踏襲しながら、日本独自のコンテンツも含めた40以上のセッションに8000名以上の視聴登録が集まった。
消費者に寄り添うマーケティングをサポートする「Salesforce Customer360」
イベントの開会を告げるキーノート「Get More from Digital, from Anywhere デジタルを活用した個客体験でビジネス成長を」にはセールスフォース・ドットコムの専務執行役員 笹俊文氏が登場。笹氏は、コロナ禍によって変化する消費者の意識をリサーチ部門によるアンケート結果から紹介した。まず、コロナ禍による外出制限や行動の変容によって消費者の63%が商品やサービスの入手方法が変わったと回答。次に、消費行動に関する意識では、56%の消費者が企業の社会的役割について関心を持ち、SDGsの達成を含む企業活動の目的や倫理を購買の理由にする傾向が強まっていることがわかった。最後に、企業に期待する態度においては、消費者の68%が単に物質的な価値だけではなく、自分に寄り添う、理解することを求めているという。
笹氏はこうした調査結果から「デジタルとリアルの融合による顧客エンゲージメントが次のステージへ向かっているのではないか」と指摘した。このような背景を踏まえ、今回の「Connections to You」のテーマを「共創型DX思考」と設定し、その実現のための5つの要件を「人(Humanization)、結(Collaboration)、瞬(Moment)、動(Action)、創(Growth)」と定義した。
