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ビデオリサーチが調査を実施、Z世代の「テレビ」と「スマホ」1インプレッションの価値を比較

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メディアやコンテンツが多様化する中、今や動画コンテンツを視聴できる場はテレビだけでなく、オンラインにも及ぶ。広告目線で見た場合、多様化する動画メディアの広告価値は同じなのだろうか。こうした価値の違いを、ビデオリサーチの吉田正寛氏がデータを基に解説する。

ビデオリサーチ
ソリューション室
マーケティングソリューション部
吉田 正寛氏

 

広告効果はリーチだけではない!態度変容の重みを読み解く

メディアプランの主眼は広告の効果を最大化することにある。効果を構成する要素である、リーチはその一要因にすぎない。リーチのその先、広告に接して起こる「態度変容」もまた、重要な要素だからだ。つまり大きくいえば広告効果とは、リーチと態度変容の掛け合わせで成り立っているということになる。

動画広告を考えた場合、リーチの観点ではテレビCMでもオンライン動画広告でも1回接触すると1インプレッションとして同カウントになる。では態度変容ではどうであろうか?リーチ同様に同じなのか? このあたりを、ビデオリサーチの生活者データACR/ex(エーシーアール・エクス)を用いて、データで考えてみたい。

身近さや信頼感を持つ「テレビ」興味関心を想起する「ネット動画」

1回接触(つまり1インプレッション)あたりの態度変容価値を、広告で期待できる効果で比較をした。リーチは「接触実態」のため万人に共通した捉え方ができるが、態度変容は様々だ。ここでは態度変容を『広告そのものの印象』と『そのメディアに取り上げられた際の商品サービスの印象への影響』の2つのアプローチで捉えることにする。今回は、特にオンライン動画の親和性が高いZ世代(25歳以下)に絞ってデータで確認する。

まずACR/exの「広告の印象」項目から、購買ファネルを構成する10項目を選び、テレビCMとインターネット動画広告(スマートフォン)で比較した。Z世代の各メディア利用者(週15分以上リーチ)で分析した結果を見ると、各項目ともテレビCMのスコアが高いことがわかる【図表1】。印象などファネル上部で差が大きい傾向があるが、ネット検索やSNS書き込みでもテレビCMが高い点は興味深い。総じてテレビCMはどのファネルでも広告として受容性が高いと言える。

 
「商品サービスの印象への影響」はACR/exアドホック追加調査枠であるConnect/ex(コネクト・エクス)で、オリジナル設問を作成した。設問は、商品・サービスがそれぞれのメディアで取り上げられていた場合、その商品・サービスにどのような印象を持つかを問うものである。同様に、購買ファネルを構成する10項目を選び、テレビCMとインターネット動画広告(スマートフォン)で比較した【図表2】。これをみると、項目により高いメディアが異なる。テレビがイメージや身近さ、信頼感、購買きっかけに強いのに対し、ネット動画はより興味・関心を深めるミッドファネル部分や自分にあった情報であるというパーソナルな受け取られ方に強みがある。広告に限らず商品が取り上げられた際の商品への印象では、テレビとオンライン動画で役割・強みが違うことがわかる。

 

実行動の喚起に期待が集まる、これからのテレビCM活用

今回、テレビCMとオンライン動画広告の1インプレッションの価値は同じではないことがデータで確認できた。購買のような実行動に対してテレビCMが効果的であるという示唆は改めて新鮮ではないだろうか? 以前行った分析でも、出稿量と購買に明確な関係が見いだせたケースも多くあった。加えて昨今では、フジテレビの『CxM』のように、 CMから二次元コードを介して実行動を誘発する仕組みも登場している。 CMの新たな役割として、実行動の喚起に期待が集まっているのだ。

コミュニケーションプランニング上で独自の役割をもつテレビCMだが、従来出稿は大規模な予算が必要で活用にはハードルが高い面も否めなかった。しかし昨今では「スマートアドセールス」が登場し、小規模からの活用が可能になっている。こうした新たな商流も、活用に拍車がかかっている要因といえるだろう。

従来からリーチに強いテレビCMだが、態度変容の目線でもテレビCM独自の強い役割があることがデータから垣間見られた。オンライン上の行動など、新たな役割も明確になってきた。また、出稿の方法もスマートアドセールスの登場でより運用型要素が加わり、より手軽に活用できるようになっている。テレビCMの活用方法は時代に応じて変化するが、その活用の必然性は変わらないのではないだろうか。
 



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