手塚治虫の名作を実写化
米アップルは3月6日、「iPhoneで撮影(Shot on iPhone)」シリーズの短編映像「ミッドナイト(Midnight)」を公開した。同シリーズの短編映像作品を日本独自の企画として制作するのは初という。企画制作はTBWA\Media Arts Lab Tokyo、OLM。監督は三池崇史氏が務めた。映像の視聴時間は19分。

原作は漫画家・手塚治虫の作品『ミッドナイト』で、「深夜の街を走るタクシードライバーが出会う奇妙な客たちの姿を描いたサスペンスドラマ」(手塚プロダクション)。1986年から87年にかけて断続的に掲載され、週刊少年誌では最後の完結作品となった。同作を選んだ理由について、TBWA\Media Arts Lab Tokyoは、「象徴的な東京の夜、ダイナミックなアクション、インパクトのあるキャラクターなど、iPhoneのカメラ機能を思う存分発揮できる作品に魅力を感じた」としている。
「iPhoneで撮影」での短編映像のベースは原作の第31〜32回で、主役のミッドナイトは賀来賢人さん、暗殺者に狙われるトラックドライバーの少女を加藤小夏さん、殺し屋役を小澤征悦さんと、有力な俳優陣が固めた。
「iPhone15 Pro」を用い、東京都内などで撮影した。ミッドナイトが駆るタクシーや、車体に搭載された「第5の車輪」の3DCGモデリングにも、iPhone15 Pro搭載のLiDARスキャナー(レーザー光を用いて物体との距離を測る機能)を活用している。
映像は3月6日にYouTubeのアップル公式チャンネルで公開した。3月11日から24日にかけては、夕方5時〜早朝4時59分限定で、東京都内を走るタクシー100台の車内ディスプレーへも配信する。都内タクシー事業者とソニーグループの合弁企業S.RIDEが運営するアプリで、「ミッドナイト」のアイコンを表示。タップすると配車を依頼できる。確定後にはアプリでも予告編が流れる仕掛け。

7日からは、アップル公式Webサイトや独自映像作品を配信するストリーミングサービス「AppleTV+」、サイバーエージェントの動画配信サービス「AbemaTV」でも見られるようになる。「iPhoneで撮影」キャンペーンとしては、テレビCMのほか、雑誌、デジタルOOH含む屋外広告のほか、Web広告やSNSでも展開予定。
「iPhoneで撮影」の短編映像作品には、2024年の中国の春節に合わせた『Little Garlic』(2024年)、『Huracán Ramírez vs. La Piñata Enchilada』(2023年)などがある。

スタッフリスト
- 企画制作
- TBWA\Media Arts Tokyo、OLM
- 編集
- Imagica Entertainment Media Services(オンライン、オフライン)
- 原作
- 手塚 治虫
- 監督
- 三池 崇史
- EPrd
- 坂 美佐子
- 撮影
- 北 信康
- 音楽
- 遠藤 浩二
- テーマ曲
- “ミッドナイト・クラクション・ベイビー”(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)