良いシリーズCMには、明確なブランドミッションと優れたスタッフがいる/ユニクロ

サザンオールスターズの往年のヒットナンバーに乗せて、心地よい世界観が描かれる近年のユニクロのシリーズ。季節ごとに注力商品を訴求しながら、一貫したトーン&マナーを保っているのは見事です。中長期のこうしたシリーズCMを発信している企業はどこが違うのか。元味の素クリエイティブディレクターの名久井貴詞さんが考えました。

ユニクロ「メリノウール LifeとWear/メリノの日」(30秒)

ユニクロ「ヒートテック LifeとWear/愛は熱」(90秒)

ユニクロ「カシミヤ LifeとWear/人生で味わったほうがいいこと」(30秒)

サザンのメロディに乗って、心地よい空間が描かれる

この3本のCMを見終わった後の感想は……、恐らく皆さん同じなのではないかな~と思ったりしていますが、いかがでしょうか?

CMが始まった途端に、サザンの曲で、桑田圭祐さんのあの声。音楽とともにテレビの画面に、みごとに釘付けになりました。

1本目のメリノウールは、レコードショップ……ちゃんと外国人のお客様もいました。保存の良い日本のレコードを求めにわざわざ来日したのかな~とか、昔の日本歌謡が好きなのかな~とか、妙に妄想が働いたところに女性タレントがサザンのメロディ(シングル盤)を見つけます。ささやかな幸せということかな~と思ったのですが、生まれる前からというセリフの裏側に……メリノウールは12世紀の大スペイン帝国で生まれたというコトまで隠れていて、見事というか良くできたストーリーです。

2本目の「ヒートテックLifeとWear/愛は熱」は、グローバルCMですね。夫婦・恋人同士? 親子・仕事仲間・犬も参加! などなど多様な人々が、さりげなく季節を纏う街の空間に馴染みながら存在し、でも自ら語っています(外国語は理解しきれていませんが……)。よくあるCM手法に見えますが、何かが違っているウォームな印象。

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