デザイン部門にサブカテゴリが追加に
フランス・カンヌにて開催されたカンヌライオンズ。2日目の6月17日(現地時間)には、エンターテインメント及びクラフト分野の計8部門の受賞作品が発表された。
そのうちデザイン部門では、応募数が前年比17%増となっている。今年から、実際に社会にインパクトを与え革新をもたらしているかを評価するサブカテゴリ「Transformative Design」を設けたことが影響した。
さらにセッションにおいては、「Luxury for Everyone – Changing Perceptions of Disability」と題して電通とヘラルボニーが登壇。ヘラルボニーと契約している作家・小林覚氏が壇上で制作の様子を披露した。
世界三大広告賞・カンヌライオンズの舞台に作家・小林覚さんが立ち、アートを披露している。ヘラルボニーのはじまりは、岩手・るんびにい美術館、そして覚さんとの出会いが原点です。あなたがこの景色まで連れてきてくれた。あなたの描く文字は、日本、世界の希望であり誇りです。ありがとう、覚さん。 pic.twitter.com/NaQ0sKwwsQ
— ヘラルボニー / HERALBONY (@heralbony) 2025年6月18日
(左から)ヘラルボニー 代表取締役 松田崇弥氏、電通 コピーライター/クリエイティブディレクター 長谷川輝波氏、るんびにい美術館 アートディレクター 板垣崇志氏、作家 小林覚氏。
2日目に発表されたグランプリ受賞作品は以下の通り。
※広告主/商品名「作品名」(企画制作会社)の順に記載。
■Entertainment部門(応募数:735点)
現代自動車「Night Fishing」
(INNOCEAN Seoul)
韓国の現代自動車が展開するEVブランド「IONIQ」が制作した、13分の短編SFフィルム。従来のスペック訴求などでは届かないMZ世代に向け、広告色を抑えた、ストーリー性と映像クオリティを重視した映像を制作した。映像は7台の車載カメラで撮影しており、とある捜査員と未知の存在の接触を描いている。緻密な物語とクラフトで、体験型のエンタメコンテンツとして昇華した。
■Entertainment Lions for Gaming(応募数:327点)
Mercado Livre「Call of Discounts」
(GUT São Paulo)
南米最大のECプラットフォーム「Mercado Livre(メルカド・リブレ)」が実施した、Z世代のサービス認知を高め、利用者を増やすための施策。人気ゲーム「Call of Duty」には、Z世代に人気のゲームモード「Prop Hunt」がある。これはプレイヤーがプロップ(小道具)に変身して隠れながら逃げ、それを別のプレイヤーが探すという、いわばオンライン版「かくれんぼ」のようなモードだ。
そこでゲーマーとしても知られるサッカー選手のネイマールを隠れる側のプレイヤーとして起用し、プロのゲームプレイヤーが追いかけるという、豪華な「Prop Hunt」を実施することに。その様子をTwitchでライブ配信した。ゲーム上には、16のエリアに、シャツ・スピーカー・スケートボード・冷蔵庫などの420個の小道具を用意。ネイマールが見つかってしまった場合、彼が隠れた商品の割引クーポンを発行した。45分で1万6000件のクーポンが使用され、約130万ドルの売上を達成した。

