『ドラえもん』50周年記念スペシャル版 装丁に込められた初版本への敬愛

2024年はてんとう虫コミックス(小学館)の1冊目として、『ドラえもん』第1巻が発売されて50年の節目。それを受けて同社は『ドラえもん』1巻の「スペシャル版」を発売。当初は第1巻のみの刊行予定だったが、読者の要望を受け継続。最終巻の第6巻が今年6月に発売された。

『ドラえもん』50周年記念スペシャル版(第1巻)/第6巻に付属する「スペシャル版収納BOX」
©藤子プロ・小学館

「復刻の場合、僕は可能な限り初出の姿に敬意を持って展開したいと考えています。今回は、『ドラえもん』の初版本を開いたときに感じたワクワク感や気付きにくい哀愁を大事に考えました」と話すのは、デザイナーの祖父江慎氏。コズフィッシュの小野朋香氏と共に装丁を担当した。

言葉通り、作中のセリフサイズや感嘆符の角度など、極力初版本を再現。特に、セリフの級数を初版本のように小さくすることで、藤子・F・不二雄先生の絵が先に目に入るようになり、その絵を見た際の“喜び”をより強く感じられる形を意識したという。また、長く読み継がれてほしいという思いから色焼けしにくい上質紙を選択した。

また、「スペシャル版」はダブルカバー仕様。「過去と未来をつなぐ」というテーマのもと、初版本を再現した“内側”に対して、“外側”は未来感のあるデザインにしたかったという。

「『ドラえもん』は子どもから大人まで長く愛されている作品。そこで、宇宙空間を彷徨い続けて、現代に戻ってきたようなSF的なデザインにしたいと思ったんです。そこで、光の反射率を意識したカバージャケットを考案しました」(祖父江氏)。

表面に銀蒸着加工を施し、初版本の色合いを大切にしながらも、キラキラとした光沢のあるカバーができあがった。

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