テレビ東京プロデューサーの大森時生さん、ホラー作家の梨さん、闇代表取締役CCOの頓花聖太郎さんによる、「恐怖心展」が東京・渋谷の渋谷BEAM4階/BEAMギャラリーで開催中だ。東京・名古屋で約10万人を動員した「行方不明展」に続く第2弾。情報解禁後からSNSでは「恐怖心展行きたい」「気になる」など話題になり、チケット販売は8万枚突破した。土日のチケットは売切間近となり、急遽会期を8月末から9月15日に延長した。彼らはなぜ夏にホラーではなく恐怖心をテーマにした展示を仕掛けたのか。ヒット展示を次々に仕掛ける彼らに、昨今増えている「〇〇展」に対する考えを伺った。
「なんとなく不安」「なんか嫌な気持ち」に着目
──「恐怖心」をテーマにした理由を教えてください。
梨:このメンバーがそろって「どんな展覧会をやりたいか」のアイデア会議の時に、「〇〇展」に当てはめる3、4文字の熟語大喜利をやったんです。
頓花:僕自身、閉所がダメだったこともあり、「恐怖症」を網羅した展示はどうかと提案しました。
大森:その会議で同時に「行方不明」というコンセプトもでてきたので、まずは「行方不明展」に着手しました。次の機会として「恐怖症」をアイデアのストックにしていました。
頓花:「行方不明展」はあらゆる「行方不明」をテーマにした展覧会。2024年夏に東京で開催し7万人、2025年冬には名古屋で3万人の動員を記録し、すごく反響がありました。
©行方不明展実行委員会
大森:そこで展示の可能性を感じて、次なる機会として「恐怖心展」を企画し始めました。閉所恐怖症・高所恐怖症など恐怖“症”という言葉にフォーカスを当てると症状として生理的な反応がでるという意味合いが強くなります。ゆえに今回は「これがあるとなんとなく不安」や「なんか嫌な気持ち」になる広く恐怖“心”に焦点を向けました。
左からテレビ東京プロデューサー大森時生さん、ホラー作家梨さん、闇代表取締役CCO頓花聖太郎さん
「恐怖心」に着目して他人への興味が増した
──頓花さんは閉所が苦手ということですが、お二人はいかがでしょうか?
大森:なんとなく嫌だなっていうのは結構あります。例えば、多くの人に同時に見られてるとか、濡れている場所を歩くとか嫌いなんですよね。じとじと・ひたひたした感じがなんとなく嫌いなんですかね。
汚れに対する恐怖心。湿気で黒ずんだ畳の上を来場者が歩く
梨:今回、私が約50点の展示のキャプションやストーリーを担当しました。制作に向けたリサーチでは、「そういう人もいるんだ…」とどこか他人事に感じて、自分自身は特定の恐怖心を持っていないことに気づきました。でも、人が何に恐怖を感じるかは、その人のライフヒストリーに結びついてるともわかりました。これまでの個人的なトラウマに起因して恐怖心が芽生えるなど。「恐怖心」をコンセプトにしたことで、私自身が他人への興味が増した点は面白かったです。
──梨さんがストーリー担当とのことですが、大森さん・頓花さんの役割分担はどうでしたか?
大森:私は展示を含めた全体のプロデューサーとして動いていました。あとは展示会場内の映像制作のほかに、「恐怖心展」に合わせて放送した『魔法少女山田』(テレビ東京系)もプロデュースしていました。同番組は、本物のドキュメンタリー番組のように作り込まれたフィクション、いうなればフェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)を扱った「TXQ FICTION」シリーズの第3弾です。7月14日からテレビ東京系での放送とテレビ東京公式YouTubeチャンネルで配信しています。
頓花:僕は会場展示物のクリエイティブ監修などを担当しました。ただ大森さんにもしっかり見ていただいてるので、役割はそこまで線引きがあるわけではないですね。
人形に対する恐怖心。大量の首から上がない人形が所狭しと並ぶ




