博報堂は8月6日、「5カ国インバウンド顧客購買意識調査」の結果を発表した。本調査は、近年訪日外客数の多い5カ国(中国・韓国・アメリカ・タイ・インド)の生活者を対象に実施。「訪日外国人のモノ消費」をテーマに、国別の購買実態や、インバウンド消費を各国国内での消費(アウトバウンド)する際の意向を調査した。
主な調査結果は以下の通り。
①日本旅行中に購入したもの:各国のインバウンド顧客の購買商品カテゴリーは異なり、その特性を踏まえることが必須
5カ国全体ではお菓子、化粧品・美容用品、食品が上位にあがった。各国それぞれでは、全体平均よりも高く特徴的なカテゴリーが存在。例えば、中国からの訪日客は、グッズ(アイドル・キャラクターなど)。韓国の訪日客はお菓子、化粧品・美容用品。アメリカ訪日客は洋服。そしてインドの訪日客はバッグ、ジュエリー・アクセサリーなどが高くなった。一方で中国のお菓子、韓国の洋服など全体よりも低い項目も見られた。
②購入決定のタイミング:〈買う〉を決めるタイミングが異なるため、「ブランド指名型商品」「カテゴリー指名型商品」「出会い型商品」の違いを理解し、それに対応するコミュニケーション設計が重要
商品カテゴリーによって、購入を決めるタイミングが違うことがわかった。化粧品・美容用品、薬は旅マエにブランドまで決めてくる「ブランド指名型商品」。家電・電子製品、洋服、ジュエリーは旅マエから購入することは決めているものの、購入する商品・ブランドは訪日してから決める「カテゴリー指名型商品」。食品、お菓子は旅ナカで決定することも多い「出会い型商品」との結果がでている。
③次回来た時に買いたいもの:次回訪日時にはさらに広い商品選択の意向あり。ジュエリー・アクセサリー、バッグ、伝統工芸品、健康食品、雑貨、家電・電子製品などが高く、新しい商機の可能性も
今回買わなかったが次回は購入したいものについて、5カ国全体では、ジュエリー・アクセサリー、バッグ、伝統工芸品、健康食品、雑貨、家電・電子製品などが比較的高い数値になった。国別でも違いがあり、前回日本で購入したものとは異なる新たなカテゴリーにも関心が高まっていることがうかがえる。
④帰国後も継続購入したいもの:日本で買ってもらって終わりではない、自国に帰った後にも買ってもらえるチャンスが
日本へ行くかどうかに限らず帰国後も継続購入したいと思う商品について、5カ国全体では、お菓子、化粧品・美容用品、食品、グッズ(アイドル・アニメ・キャラクター等)、お酒が比較的高く、次いで健康食品、洋服、薬が並んだ。継続購入したい理由としては、化粧品・美容用品、洋服、お菓子などは「品質」、お菓子、洋服は「コスパの良さ」などが評価され、継続利用意向が高くなっていることがわかった。
博報堂では2025年1月、「訪日外国人のインバウンド消費」に着目し、インバウンドのチャンスを掴み、企業の売上拡大に貢献すること、およびインバウンドをきっかけにアウトバウンドへと繋げて企業のビジネス拡大に貢献することを目的とした「博報堂クロスバウンド・ビジネス・ラボ」を立ち上げていた。今回の調査も同ラボが担当している。





