「マーケティングの神」と称される森岡毅氏が手がけ、7月25日に開業した大自然テーマパーク『JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)』。沖縄県北部の活性化への期待の一方で、開園直後からSNS上での批判的な声や情報コントロールへの疑問が噴出した。前編に続き、現地在住のITジャーナリストが、現代マーケティングの新たな試練を分析する。
前編はこちら
デジタル時代のカスタマーフィードバック設計の欠如
ジャングリア沖縄をめぐる最も深刻な課題は、ITマーケティング・SNS対応の不備だ。
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Google Mapクチコミ大量削除問題 開園直後、Google Map上の低評価レビューが大量削除される事象が発生。Google側のスパム対策による自動処理だったが、「意図的な口コミ操作」との疑念がSNS上で拡散した。
デジタル顧客体験の設計不備
1.公式アプリでのフィードバック機能不足:リアルタイムでの改善点収集システムの欠如
2.山間部での通信環境未整備:Wi-Fi設備やローカルCDNの未導入
3.待ち時間活用コンテンツの不在:デジタルエンターテインメントの軽視
森岡氏の「自然の中での体験」というコンセプトは理解できるが、現代の顧客は待ち時間をスマートフォンで過ごすことが当然となっている。この現実を無視した設計は、顧客満足度低下の直接的要因となっている。
オールドメディア中心主義の限界
森岡毅氏のマーケティング論は、テレビ・雑誌・新聞といったオールドメディアでの情報統制を前提としている。「マーケティングの神」という称号も、これらメディアでの露出により獲得した側面が強い。
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現代マーケティングとの乖離
•一方向的情報発信:SNS時代の双方向コミュニケーション軽視
•統制型ブランディング:UGC(ユーザー生成コンテンツ)活用の不備

