リーダーシップに不可欠な「こう・きょう・でん」
「アドタイ」読者の皆さん、はじめまして。これから、「リーダーシップ」をテーマにしたコラムを担当する奥山真司です。P&G、江崎グリコを経て今は、グーグル日本法人の代表を務めています。
私が最も長く在籍したP&Gは、多様な価値観を持った人たちが集まるグローバル企業でした。P&Gという外資系企業での仕事を通じて、経営トップだけでなく、ときに新入社員も含めて、すべてのビジネスパーソンがそれぞれの立場・階層においてリーダーシップが求められることを痛感しました。
それでは、皆さんは「リーダーシップという能力が発揮できている状態」とはどのような状態を指すと思いますか。実はリーダーシップはビジネスパーソンに必須のスキルであるものの、なかなか言語化できていないのが実情ではないでしょうか。
私は、本物のリーダーシップに不可欠な3大能力を「考」「響」「伝」と定義しています。「リーダーシップのこう・きょう・でん」と覚えてください。
「考」:どんな状況でも継続して結果を出し続ける戦略的思考能力
「響」:心に響き、圧倒的共感と行動を喚起する、コミュニケーション能力
「伝」:個人、チームの成功を再現性のある”型”にして伝える能力
「私」から「あなたたち」へ 大切なのは誰のためのリーダーシップか?
「考」「響」「伝」と分けた理由は、「誰のためのリーダーシップなのか?」ということと関係します。簡潔に言えば、最初のステップである「考」は自分のためのリーダーシップと言えます。部下や後輩などチームを率いる状況になくとも、戦略的思考能力を持たなければ、自分自身が進むべき方向すら、わからずに迷子になってしまいかねません。
次のステップで身に着けるべき「響」は、私たちのためのリーダーシップ、つまりはチームとして機能するために必要なリーダーシップスキルといえます。「考」のIから「響」のWeへと主語が変わります。
最後の「伝」は、私でも私たちでもなく「あなたたち」のためのリーダーシップです。主語から「私」という視点が抜けて、他者の成功のために心血を注げる状況となることです。
「私」、「私たち」、そして「あなたたち」へと主語が変わるなかで、リーダーシップスキルは進化をしていきます。この3つの能力を積み上げていくことに比例して、事業や組織成長のインパクトも広く深くなっていきます。それでは今後のコラムで詳述していく「考」「響」「伝」について、簡単に概要だけ解説しておきたいと思います。