ロッテホールディングスは9月2日、韓国ロッテグループのホテルロッテ(本社:韓国ソウル市)と共同で、新会社「LOTTE HOTELS JAPAN」を設立した。日本におけるホテル事業の拡大が目的。社長にはロッテシティホテル 代表取締役社長の福井朋也氏が就く。
記者会見の様子。左からロッテホールディングス:玉塚元一氏、LOTTE HOTELS JAPAN:福井朋也氏、ホテルロッテ:Jung Hosuck氏。
ロッテグループは、1973年に韓国でホテルロッテを設立し、ホテル事業に参入。韓国を中心にグローバルに事業を拡大し、現在は世界7カ国で計39ホテル、14,135客室を有している。日本においては、ロッテシティホテル錦糸町(東京都)、ロッテアライリゾート(新潟県)の2施設を運営。
2022年からは「ONE LOTTE」をスローガンに掲げ、日本と韓国の事業シーズを掛け合わせたグローバル戦略を推進。ホテル事業でも日韓で新会社を設立し、マネジメント・コントラクト(MC)方式を軸に事業を拡大する方針。MC方式では、ホテルオーナーが不動産を所有し、LOTTE HOTELS JAPANが運営全般を一貫して担う。今後10年間で、主要都市や観光都市を中心に、日本国内で20ホテル、4,500客室(既存の2ホテル含む)の展開を目指すとしている。
新会社設立の背景にあるのは、韓国の訪日外国人観光客の数の多さだ。観光庁によると、2024年の訪日外国人旅行者数は、3,687万人(2019年比15.6%増)と過去最高を記録。うち、韓国人観光客が23.9%を占め、韓国におけるロッテのブランド力が、日本での宿泊客獲得に寄与すると見込まれている。
さらに同庁の「観光立国推進基本計画」によると日本政府は「2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人達成」を掲げており、日本におけるホテル市場は今後も拡大することが見込まれる。今回設立したLOTTE HOTEL JAPANでは、日韓両国で培ってきたホテル運営ノウハウやブランド力で、ホテルオーナーの「ホテル事業の拡張」と「収益向上」に貢献するとしている。
新会社設立に際し、代表取締役社長に就任した福井朋也氏は次のようにコメントしている。「旅行の価値は大きく変わりつつあり、これからは“イキイキとした自分”に出会える豊かな時間と体験が求められます。私たちは、地域と日本文化に根ざし、「一期一会」とセレンディピティ(思いがけないうれしい偶然)に満ちたホテルを目指したいと考えています。皆さまから“お口の恋人”として親しまれてきたロッテが、ホテルという舞台で、心がほどけるような、記憶に残る滞在体験を提供してまいります」(福井氏)。

