東京のマーケターが描く宮崎のクラフトビールの共創型ブランド戦略

広告・マーケティングの分野で長年第一線を走り続けてきた篠崎功さんは、現在、東京を拠点に活動しながら、宮崎・青島のクラフトビール事業にも取り組んでいます。東京で培った豊富なキャリアとネットワークを活かし、地域に新しい価値を生み出すためのクラフトビールづくりに参画。青島に根ざしたブランドづくりや関係人口を増やす取り組みを通じて、都市と地方をつなぐ新しい可能性を広げています。

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篠崎功

青島クラフト
CMO最高マーケティング責任者

ダブルクリック日本法人の設立に携わり、電通・NTTドコモが出資したD2Cでは、設立から営業、メディア開発、PR、ソリューション、新規事業立ち上げなど、コーポレート部門を除く幅広いマーケティング業務を担当。近年は、通信会社にて戦略PR、ナレッジマネジメント、営業支援など多岐にわたる領域を担当。その傍ら、副業としてクラフトビールの醸造に携わり、CMO(最高マーケティング責任者)として東京から事業を支援する。また、企業の効果的なモバイルマーケティング活用を推進するため、社団法人日本マーケティング協会と共に「モバイルマーケティング研究会」「eマーケティング研究会」を2005年から11年間にわたり開催。著書『iモード・マーケティング&広告』(東洋経済新報社、共著)、『モバイルマーケティング最強の戦略』(翔泳社、共著)、『スマートフォン・マーケティング』(宣伝会議、監修)。

東京と宮崎、二拠点で育てるブランド

━━東京での本業のほかに、宮崎でビールづくりの副業もされているそうですが、ダブルワークの経緯について詳しくお聞かせください。

これまで広告・マーケティングの領域を中心に、事業戦略や経営にも深く携わる仕事をしてきました。例えば、ダブルクリックの日本法人設立や、NTTドコモと電通の合弁によるモバイル広告会社D2Cの立ち上げといった新会社の創業に関わり、D2Cでは営業、メディア開発、新規事業開発など、コーポレート部門以外はほとんどの業務を担当しました。2023年にはD2Cから通信会社へ出向し、現在はBtoBネットサービスのプロダクトマーケティングを推進しています。

一方で、2000年代前半からサーフィンを目的に宮崎へ通うようになり、地元の飲食店経営者たちと親しくなりました。ある時「青島でクラフトビールをつくりたい」という話が持ち上がり、資金面の相談を受けたことがきっかけで出資を決意。2021年に青島クラフトに参画し、事業に関わることになりました。

━━副業として入られている青島クラフトでの役割について教えてください。

青島は、宮崎県宮崎市にあり、亜熱帯植物が生い茂る南国らしい景色が広がる地域です。2022年には青島ビーチビレッジが誕生し、約5500坪の広大に敷地にリゾート施設が集結するなど、近年はリゾート開発でも注目を集めています。

地元のオーナーさんたちは個人経営者なので、マーケティングや経営の専門的な知識や経験は限られています。そのため「つくる」「売る」といった役割に特化してもらって、それ以外の不得意な領域はプロマーケターやプロ経営者がサポートして事業を伸ばしていくという役割分担モデルができると、面白いんじゃないかなと考えました。僕は、経営支援から商品コンセプトの設計、マーケティング戦略の立案・実行などを担当しています。

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