本格“AIアニメ” 『ツインズひなひま』は業界に変化をもたらすか? 未来の製作を見据えた実験的作品の背景

『ツインズひなひま』は本格的にAIを用いて製作されたアニメーション作品だ。過重労働が広く問題視される業界の体質改善にもつながる取り組みはどのような成果を得たのか。

本格AI作品を製作するべく始動

イメージ 『ツインズひなひま』キービジュアル。

『ツインズひなひま』キービジュアル。

『ツインズひなひま』は、姉のひまりと妹のひななによる双子の女子高生TikTokerであり、AIクリエイティブを専門とするKaKa Creationによるキャラクターユニットだ。

当初はKaKa CreationによるバーチャルTikTokerとして2023年11月から動画の投稿をスタート。その後、フロンティアワークスによりテレビアニメプロジェクトがスタートし、2025年3月に全1話のテレビアニメ版を製作、TOKYOMX、MBS、BS日テレの3局で放送された。駆け出しのTikTokerとして活動する2人がネタ探しに奔走する中で街の異変に気付いていく、といった物語となっている。

『ツインズひなひま』作中カット。

『ツインズひなひま』作中カット。

本作は“AIアニメ”を標榜する実験的プロジェクトであり、製作フローにAIを導入している。

KaKa Creationのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)で、本作の演出、アニメーションプロデューサーを務める飯塚直道さんは、プロジェクト立ち上げについて次のように語る。

「2023年頃は、ある種正式な作品やコンテンツとしてAIを活用したものが世に出ていませんでした。自分たちも技術検証をしなければならないと考えていましたし、何よりこれまでアニメコンテンツに向き合ってきた我々が、まずは最速でしっかりと形にすべきだろう、というところからプロジェクトはスタートしました」。

「サポーティブAI」という考え方

本プロジェクトでは「AIはあくまでクリエイターの創作活動のための補助ツール」であるとする「サポーティブAI」という考え方を打ち出している。

「0→1は人が行い、1→99をAIがサポートする、という考え方です」と飯塚さん。

具体的には、

①絵コンテのセル画化

②背景素材写真を手描き調に変換

③3Dでつくったアニメーション動画を手描き調に変換

④動きのある実写映像のアニメ化

といった部分でAIが活用された。

いずれも元となる素材は人が用意し、AIによって大まかな成形が行われる。そして最終的には人の手によるレタッチが入ることで完成となる。「スタッフともよく話をしていましたが、生成AIはあくまでツールである」と飯塚さんは強調する。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ