ブイキューブが実践する営業育成ーAIで属人化と予測精度の壁を突破する

Web会議システムやイベント配信サービス、個室ワークブース「テレキューブ」を手掛けるブイキューブは、AIを活用して営業の属人化や予測精度の課題を解決し、商談の質を高める取り組みを推進している。9月8日~10日に東京ビッグサイトにて開催された「第5回 営業戦略会議」内で、同社の営業本部 営業企画統括の加藤卓大氏が、営業組織の生産性向上手法について紹介した。

写真 人物 ブイキューブ 加藤卓大氏

コロナ後の需要減と人材不足を乗り越えるために

同社は2003年に国内で先駆けてWeb会議サービスを開始し、2007~2019年まで国内シェアNo.1を維持してきた。しかしコロナ禍の収束に伴い、オンライン需要は減少。価格競争の激化も重なり、売上は減収減益に転じた。

こうした環境で営業育成を任されたのが加藤貴大氏だ。「営業の生産性向上」をミッションに掲げ、単なる業務効率化ではなく、営業メンバー一人ひとりの質の向上を目指した。まずは、属人化したノウハウ、育成に割ける時間の不足、案件情報の精度の低さなど、営業組織に共通する課題を洗い出し、解決策を探ったという。

商談をAIで解析し、「能力拡張」を実現

加藤氏が着目したのは、商談前後の効率化ではなく、商談そのものをAIで解析するアプローチだ。社内のナレッジや、自身が商談に同席した際のフィードバック内容をAIに学習させ、商談の録音データを解析。具体的な改善点を営業担当者へ自動で届ける仕組みを構築した。

これにより、営業メンバーは商談直後の記憶が鮮明なうちにアドバイスを受け取り、次回の商談に即座に活かせるようになった。さらに、マネージャーも全案件を把握し、誰がどんなヒアリングをしているか、成約リスクはどこにあるかを可視化できるようになる点もメリットだ。

「例えば、この営業担当者はクロージングが弱いな、課題の把握が苦手だ、などが明確になれば、各人に必要な要素もわかり、効率的な成長が見込めます」と加藤氏は語る。

写真 人物 ブイキューブ 加藤卓大氏

営業組織の成長サイクルをAIで支える

ブイキューブでは営業組織の成熟度を5段階に整理。顧客情報・行動量管理(レベル1~2)は多くの企業が実現しているが、商談内容の分析や成約確度の予測(レベル3~4)、育成・改善サイクルの定着(レベル5)になると難易度が跳ね上がる。同社はレベル3以上の業務で重点的にAIを投入し、ハイパフォーマーの暗黙知を組織全体に共有する仕組みをつくった。

加藤氏は「AIは一貫した基準での判断ができます。営業担当が経験則や勘から“いける”と判断した案件でも、決裁者面談や予算確認の有無など事実ベースでリスクを指摘してくれるんです」と解説。その結果、売上予測の精度が向上し、組織全体で「読める営業」に近づいているという。

最後に加藤氏は「AIは組織に合った形で実装すれば、人と組織の可能性を大きく広げられる」と締めくくった。

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お問い合わせ

株式会社ブイキューブ

URL:https://jp.vcube.com/maneai
TEL:03-6845-0775
EMAIL:v-mail@vcube.co.jp

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