福岡で移住者向けのメディア事業とコワーキングスペース事業を展開するSALT。話題となった福岡市経済観光局とのコラボレーションイベント「ぼくらの福岡移住計画」をはじめ、さまざまな企画で福岡移住の需要を掘り起こし、希望者の移住をサポートしています。代表の須賀大介氏は、自身も東京からの移住者。「福岡に知り合いもおらず、土地勘もなかった」と語るように、当初は福岡での仕事づくりに苦労したそうです。そこからどのようにしてチャンスをつかんだのか、そもそもなぜ、移住先が福岡だったのか。福岡で仕事をつくるための心構えも教えていただきました。
地方には成長の余地が無限にあるように感じた
──もともと東京にいたとお聞きしました。どのようなお仕事をされていたのですか?
企業向けにITソリューションを提供する会社やWeb制作会社で、エンジニアとして働いていました。独立したのが26歳のとき。下北沢で、システムエンジニアリングとWebマーケティング、Web制作を請け負う会社をつくりました。
創業から7年が経ったころ、地方への移住希望者をサポートする公共団体の仕事を受注したんです。Webサイトを立ち上げるプロジェクトでした。コンテンツづくりのため、いろんな人にインタビューするうちに、「移住」にすごく興味が沸いて。成長が限界に来ている東京に対し、地方はまだまだ可能性が無限にあると。それで、「デジタル×地方」をテーマに少しずつ事業をやるようになりました。
──何がきっかけで福岡へ実際に移住したのですか。
2011年の東日本大震災です。働き方を根本的に変えようと、会社をフルリモートワークOKにしました。私自身も、子育てを考えて、2012年に地方へ移り住みました。
移住先を福岡に決めたのは、LCC(格安航空会社)の参入で、東京との往復便が当時でも1日100便近くあったから。最初は東京との二拠点生活だったので、行き来のしやすさは魅力でした。
そしてなんといっても、アジアとの結び付きが、ほかの地域と比べて圧倒的に強いことです。私の会社で、インドにサテライトオフィスを実験的につくったことがあるのですが、福岡でなら、より実現性が高まるのではないかと。