140作品近い応募の中から、未来の広告業界を担う若き才能が選出された「掲出-1グランプリ」。そのテーマは「若い人に広告業界に興味を持ってもらうためのアイデア」だ。本アワードの最大の特徴は、受賞作が実際に虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの大型サイネージに掲出されること。本記事では、10組のファイナリスト作品の紹介から、白熱した審査を経て各賞が決定した授賞式の模様を、審査員の講評とともにレポートする。
端的に表したメッセージ作品が受賞
授賞式の冒頭、本コンペの企画者であり審査員の尾上永晃氏(電通)が「掲出-1グランプリ」の概要を説明した。本アワードは、その名の通り、応募作品が入選すればそのまま掲出され、制作者の実績になるという大きな特徴を持つ。お題は「若い人に広告業界に興味を持ってもらうためのアイデア」で、15秒の静止画または動画という形式だ。また若いクリエイターの活躍の場として機能するため、M-1グランプリに合わせて社会人歴15年目以下を応募条件とした。
掲出場所は虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの地下2階、東京メトロの駅からつながる通路の柱にある大型サイネージ。今回は140作品近い応募が集まり、その中から選ばれた10作品は、すでに同サイネージに掲出されている。尾上氏は「すごい倍率を勝ち抜いてきている」とファイナリストを称えた。
掲出-1グランプリの最高賞であるゴールドタイガー賞に輝いたのは、森一華氏(大広)の「ずーーーーーーっと考えちゃう。そんな日々が、楽しいのです。」の映像作品。 広告会社1年目の森氏は、「自分がこういう広告業界の人になりたいと考えて作った。本当にこういう人になれるように頑張りたい」と、受賞の喜びと今後の決意を語った。虎ノ門広告祭のクリエイティブディレクターであり審査員でもある菅野薫氏は、「満場一致で決まった」と明かし、「新入社員の方が、広告は面白く、一生懸命考えることが一番楽しいことなんだという思いを持ってこの業界に来てくれたことは、我々にとっても励みになる。シンプルながら的を射た、ど真ん中のメッセージだった」と評した。
ゴールドタイガーを受賞した森一華氏
またシルバータイガー賞に選出されたのは、市野花氏(ヤクルト本社)/降旗花緒氏(花王)の映像作品「おもしれー仕事…」だった。同コンペでは多くの広告会社の若手クリエイターから応募があった中で、広告主企業からの異色のエントリーだった。
ペアを組んだ二人は宣伝会議「アートとコピー講座」で出会ったことを明かし、「(虎ノ門広告祭の各セッションで折に触れて)広告クリエイターに素敵な方がたくさんいるなかで素敵な広告担当者が足りないと思った。激熱な広告担当者を目指して頑張りたい」と今後の抱負を述べた。
代表して市野氏がトロフィーを受け取った
審査員の岩崎裕介氏はその話を受けて、「そうなってくれ…」と同意、また作品について「異彩を放っていた。恋愛漫画にありがちな『おもしれー女』というセリフをオマージュしつつ、広告業界の思い通りにいかない面白さや夢中にさせる魅力を端的に伝えていた」と評価。市川晴華氏は、「漫画は縦型サイネージとの相性がいいという発見があった。どんなに大変でも仕事を楽しめる人に来てほしい、という大事なメッセージが込められている」と語った。
受賞者発表後に惜しくも漏れた選外作品も紹介された。シルバータイガー受賞の市野氏/降旗氏ペアは多数エントリーしていたことが明かされた。
そのほかの選出作品は以下の通り。



