広告発想でアイドルをプロデュース!? クリエイター3人のアイデアでTikTokチャレンジ

広告クリエイティブの思考法は、アイドルプロデュースに応用できるのか。そんな壮大な「実験」をテーマにしたセッション「広告クリエイティブの思考で、アイドルをプロデュースしてみる実験室『IDEA×IDOL』」が虎ノ門広告祭の6日目の10月23日に開催された。セッションでは、広告業界のクリエイターと音楽プロデューサーがそれぞれの視点からヒットの法則を語り合ったほか、アイドルグループ「SAKURADOLL」を迎え、若手クリエイターが新曲のサビをプロデュースする公開企画会議を実施。広告的アプローチから生まれたユニークなアイデアの数々が披露された。

広告クリエイティブの技術でアイドルをプロデュースする実験

セッションの冒頭、モデレーターを務める電通のクリエイティブディレクター / CMプランナーのクドウナオヤ氏は、本セッションを「広告クリエイティブの思考でアイドルをプロデュースしてみる実験室」と紹介。普段の広告制作において「ともするとみんなから嫌われ者になるものを、いかに人気者にするか日々考えている」と語り、広告の技術がアイドルのプロデュースにも活かせるのではないか、という仮説を検証する実験的なセッションであると説明した。

続いて登壇者の自己紹介が行われた。デジタルマーケティング会社でありながらアイドルなどインフルエンサーのプロダクション事業も手がけるCARTA ZEROの大橋徹氏と島田嶺氏、アイドルグループ「SAKURADOLL」のプロデュースをするSTREETLABO代表の亀井文徳氏が挨拶。さらに、音楽プロデューサーのヤマモトショウ氏が、1週間前に急遽オファーを受けて登壇したことが明かされた。ヤマモト氏はFRUITS ZIPPERのヒット曲『わたしの一番かわいいところ』の作詞作曲を手がけたことで知られている。

亀井氏はSAKURADOLLについて、「Made in Japan to the world」をコンセプトに、国内だけでなく海外での活動にも力を入れていると説明。2026年にはアジアツアーも計画しており、「アイドルを通じて日本の魅力を世界に発信するIP」としてプロデュースしている最中だと語った。

左から順にクドウナオヤ氏、ヤマモトショウ氏、大橋徹氏、島田嶺氏、亀井文徳氏

SNS時代のアイドル楽曲プロデュース論をヤマモトショウが語る

セッションでは、音楽プロデューサーのヤマモトショウ氏がSNS時代のアイドル楽曲プロデュース論を展開した。現代のヒットの法則について、「TikTokでバズるのが、もう絶対条件になっている」と解説。曲の良さだけでなく、「TikTokでアイドル本人たちがまず踊りたい、やりたいと思わないと、やらされている感じに見えてしまう」と、演者自身の熱意の重要性を指摘した。

制作手法にも変化があり、「例えば15秒とか30秒つくって、先にTikTokとかに出して反応を見るみたいようなつくり方」が普通になっているという。また、ヤマモト氏が提唱する「サビ2段構造」は、「(サビが1つだと)1曲で1回しかチャンスないのもったいない」という発想から、TikTokでバズる可能性のある箇所を2つ用意する手法だと解説した。

広告クリエイティブの技術の応用可能性を問われると、「むしろ本当にそれが一番強いんじゃないかなとすら思っていて、僕もコピーを書くつもりで楽曲のタイトルやサビの最初のフレーズをつくっています」とヤマモト氏は回答。広告的思考が自身の楽曲制作の核になっていることを明かした。

お知らせ

広告クリエイティブ思考が活きたano「ちゅ、多様性。」MV制作秘話

ここでクドウ氏が、広告クリエイティブ思考が活きた事例として、自身が手がけたアーティストanoの「ちゅ、多様性。」のミュージックビデオの制作秘話を明かした。この曲はアニメ『チェンソーマン』のエンディングテーマで、作中の象徴的な「ゲロチュー」シーンから着想を得て、「ゲロチューをテーマに曲をつくりましょう」と企画することになったという。

TikTokでのバズを狙い、「みんなが真似してくれるようなUGCを誘発する踊り」を考案。さらに、MVには南海キャンディーズの山里亮太さんを覆面で出演させ、彼が当時「天の声」を務めていた情報番組で正体を明かすというメディア戦略も計画。これらの施策が功を奏し、楽曲はTikTokで25億回再生を記録する大ヒットとなった。

次ページはIDEA×IDOL サビだけプロデュース!

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ