「音声IP」を無断生成AIから守る新事業 NTT西日本、1000億円規模を目指す

コンテンツプロデュース事業を展開

NTT西日本は10月27日、音声AIプラットフォーム「VOICENCE(ヴォイセンス)」を開始したと発表した。AI音声合成と独自の権利保護技術を組み合わせ、「音声IP」を管理・流通させる仕組み。社内独立組織「VOICENCEカンパニー」が事業を担う。生成AIの普及に伴い、声優や俳優などが自身の声を「音声IP」としてビジネス展開する事例が増加する一方、「声」の無断利用やフェイク音声の拡散が社会問題化している。

同社は、IPホルダーが声の権利を守りながら安全に収益化できる仕組みをすることで、音声IPのキャスティングから企画運営まで、音声にまつわるコンテンツを一貫してプロデュースするビジネスを展開する。3年で10億円、5年で100億円、10年で1000億円の事業規模を目指す。

写真 10月27日に実施したメディア向け発表会

10月27日に実施したメディア向け発表会

近年、「声」の無断利用やフェイク音声の拡散が社会問題として注目されているが、日本では肖像権やパブリシティ権の一部でしか対応できず、「声の権利」を直接保護する明文規定は存在しない。

NTT社会情報研究所の荒岡草馬氏は「日本では声自体には権利性が認められておらず、法律もなく、裁判所の判例もないというのが現状」と指摘する。

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