「もし、人類が『生の音』を忘れかけたら」アクセンチュア ソング 上江洲佑布子さんが選ぶ10曲

クリエイターの皆さんに独自のお題を設定してもらいプレイリストをつくってもらうシリーズ企画。プレイリストはSpotifyでも公開中です。

人類が「生の音」を忘れかけたら

もし、人類が「生の音」を忘れかけたら――そんなときに聴いてほしいプレイリストをつくってみた。

聴いた方の中には「え、序盤からかなりエレクトロじゃん」と思う人もいるかもしれない。

ただ、ここでの「生の音」とは、「実際にハープを録音した音」としたい。というのも、私はこのマイナー楽器を30年ほど弾いていて、完成されたトラックに入っているハープの音色が、「生の音」か「ソフトウェアで再現された音」なのかを聴き分けられるという、あまり役に立たない特技があるからだ。

木と金属でできた47弦のハープは、楽器のモデルや製造年、奏法や湿度によって音の響きがけっこう変わる。ソフトウェアで再現しようとすると、このあたりのニュアンスが難しいようで、音はのっぺりと平らになる。(今のところ)時間の質感がなく、完璧すぎて不自然さが残る。

だからこそ私は、再現された音に出会うと逆に興奮する。不自然さが生む新感覚を楽しみながら、まだ「生の音」を忘れていないと思えるからだ。

これは、AIとクリエイティブの関係にも通じるものがある。関連する潮流については、「アクセンチュア ライフ トレンド2025」の「ためらいのしわ寄せ」「つながりの再野生化」に詳細があるので、一読いただけたら幸いだ。

さて、このプレイリストには、生のハープを録音またはサンプリングしてつくられた曲が 9 曲、ソフトウェアで再現されたハープの音でつくられた曲が 1 曲入っている(どれが再現音か、ぜひ探してみてほしい)。

生の音は、完璧じゃないその揺らぎに音色の本物性がある。一方、再現された音の、完璧すぎるその不自然さは、新しいテクスチャを生む。そんな絶妙なバランスを、発見してもらえたら嬉しい。

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上江洲佑布子(うえす・ゆうこ)

(テキスト 代表取締役/クリエイティブディレクター)

2021年にアクセンチュアへ入社。ソング本部にてデザインマネジャーとして、新規事業開発の支援やブランド変革プロジェクトに従事。パーパス・ビジョンの策定から、実践に向けたメソッドやツールの開発、ブランドアセット構築・実行支援までを幅広く手がける。アクセンチュア ソングの年次トレンドレポート「ライフ トレンド」2025 日本版編集長も務めた。


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