「感動した」「泣いた」との声も 万博の成果と感謝を伝える「閉会式」の企画・演出について聞く

半年間にわたって開催された大阪・関西万博が閉幕した。10月13日に開かれた閉会式では、万博名誉会長の石破茂首相(当時)や吉村洋文大阪府知事があいさつし、名誉総裁の秋篠宮さまがおことばを述べられた。184日の会期を終え、博覧会国際事務局(BIE)の旗は2030年に大型万博を開くサウジアラビアの首都リヤドに引き継がれた。

閉会式のクリエイティブディレクターを務めたのは、SIGNING(サイニング)代表取締役 Co-CEOの亀山淳史郎氏。同社は博報堂DYグループのソーシャルデザインの会社で、亀山氏は万博の夜のドローンやプロジェクションマッピングによるセレモニー「One World, One Planet.」のクリエイティブディレクターも務めた。閉会式の企画・演出やパフォーマンスに込めたメッセージについて聞いた。

閉会式のテーマは「For the Futures」

━━閉会式の企画にあたって、最初に決めたことは。

亀山

:「For the Futures」をテーマにすることを決めました。「Future」ではなく「Futures」、複数形であることがポイントです。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」でしたが、実際に多様な未来が提案されていました。1970年の大阪万博が、大きなゴールに向かってみんなで向かっていくイメージだとすれば、今回は一人ひとりが「こんな未来もあるよね」と何らかの気づきを得て持ち帰るような場所だと思ったのです。終わりなんだけど、それぞれの未来のはじまりに閉会式をしたいと考えました。

大阪・関西万博閉会式のクリエイティブディレクターを務めた亀山淳史郎氏(SIGNING代表取締役 Co-CEO)

このことは実際にフィールドリサーチや来場者の定量調査から得られた知見でもあります。そこで、最初に「それぞれの未来へ。」というステートメントを書きました。

閉会式は催事企画プロデューサーの小橋賢児さんとともに、私たちSIGNINGのほか博報堂、博報堂プロダクツら総勢100人を超えるチームで担当をしました。約70分のプログラムの中には、ご挨拶や国旗掲揚・国家斉唱といった式典のパートと、アーティスティックなステージや映像のパートがありますが、SIGNINGは主に後者の企画と演出を担当しました。

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