2024年3~4月に展開された、「Suicaのペンギン」のお腹の部分が立体になっている広告。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は11月11日、Suicaのイメージキャラクターである「Suicaのペンギン」が2026年度末で“卒業”すると発表した。2026年度は2001年のSuica誕生日から25周年の節目であり、同社は「今後は新たなイメージキャラクターへとバトンタッチする」と方針を述べている。
「Suicaのペンギン」を手がけたのは、イラストレーターで絵本作家の坂崎千春氏。このほか千葉県の「チーバくん」などでも知られている。
なお、「Suicaのペンギン」はSuicaのために描いたわけではなく、坂崎さんの絵本『ペンギンゴコロ』(1998年発刊)を見た広告会社の担当者から依頼があって生まれたもの。
坂崎さんは雑誌『ブレーン』(宣伝会議刊)が2019年に実施したインタビューで、「Suicaのペンギン」の人気について、次のように話している。
「当初はここまで使われるとは思っていませんでした。Suicaのペンギンは、ニュートラルな感じで、性別も強い個性も持たせていません。通常キャラクターは年齢、性格などの設定が大事だと思うのですが、これは鉄道のキャラクターなので、大人でもなく子どもでもなく、特定の個性を決めずに“Suicaを使う人の象徴”としているところがよかったのかもしれません」
「Suicaのペンギンが広がったのは、正円のペンギンの正面顔デザインができたことも大きかったと思います。そこから一気に認知が上がり、グッズ展開も広がりました」(『ブレーン』2019年5月号、特集「いつの時代も愛されるキャラクターの作り方」より)。
JR東日本は2024年12月に「Suica Renaissance」を発表した。今後10年間でSuicaの機能を順次バージョンアップする構想で、利用可能エリア拡大やチャージ不要の「あと払い」機能、家族・友人間での電子マネー共有など、これまでの「移動・決済のデバイス」から、ユーザーの様々な生活シーンで役立つ「生活のデバイス」に生まれ変わる壮大な計画だ。
今回、この「Suica Renaissance」の第二弾発表にあたり、「Suicaのペンギン」の卒業が発表された。
「Suicaのペンギン」の後任の新たなイメージキャラクターは、進化するSuicaのイメージを担う予定。新キャラクターの発案や誕生プロセスでは、何らかの形でユーザーが参加できる形で進めることも検討しているという。
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