自治体が「クマ保険」に殺到 東京海上日動「緊急銃猟保険」に200超が加入、責任リスクに備え

初年度は制度運用の周知に注力

全国でクマ被害が深刻化する中、東京海上日動火災保険が開発した「緊急銃猟時補償費用保険」への加入が増えている。4月に創設された「緊急銃猟制度」では、緊急銃猟に伴う財産損失の補償義務を自治体が負うこととなり、同保険はその損失補償費用をカバーするもの。7月17日に販売を開始し、9月1日から適用を開始した。リリース後は自治体からの問い合わせが相次ぎ、10月末時点で加入は200を超えたという。

クマ被害に対応する自治体向けの「緊急銃猟時補償費用保険」

同商品は、緊急銃猟に伴って第三者の財物に損害が生じた場合に、自治体が負担する損失補償費用を支払うものであり、補償額の上限は3000万円。損失額は環境省の「緊急銃猟ガイドライン」に基づき算出することが前提で、建物の貫通損壊や跳弾による被害などが対象となる。保険料は、自治体が申告する前年度の危険鳥獣出没件数に応じて決定される。

環境省によれば、2023年度のクマによる人身被害は198件(219人負傷、6人死亡)で過去最多となった。2024年度は85人(3人死亡)とやや減少したものの、2025年度は9月末時点で108人(9人死亡)に達し、高水準で推移している。住宅地での襲撃が相次ぎ、住民の不安は大きくなっている。

一方で、クマ駆除に携わるハンターをめぐっては、安全確保や責任分担の制度が不十分との指摘が続いてきた。北海道では、自治体の要請でヒグマを駆除したハンターに対し猟銃所持許可が取り消された「砂川ライフル事件」が発生。責任の所在が争点となった。2021年の一審判決はハンター側を支持したが、2024年10月の高裁判決では逆転敗訴となり、現在は最高裁で係争中だ。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ