「職業・大宮エリー」都内3か所のギャラリーで回顧展開催、VR映画や陶器作品・襖絵も展示

今年5月に逝去した画家/作家として知られる大宮エリーさんの回顧展「生きているということ」が、11月21日から東京都内のギャラリーにて3会場同時開催される。

大宮さんは、1975年大阪生まれ。東京大学薬学部卒業後、CMプランナー、コピーライターとして活躍。その後、作家業、舞台の作演出、ドラマ・映画監督、映像制作、ラジオのパーソナリティと様々なジャンルの活動を行う。2012年からは観客にイメージや言葉を伝え、来場者が参加して作品が完成するという体験型の展覧会を始める。

絵画制作に関しては、2012年東京都国立博物館の法隆寺宝物館にて急遽ライブペインティングを依頼されたことに始まり、各地のギャラリーや美術館で立て続けに個展を開催。3月には海外のギャラリーでの初個展「A Wonderful Forest」(TICOLAT TAMURA、香港)を開催すると同時に、アートバーゼルにも参加、ミラノ、パリでの個展、はじめての海外グループ展「Parcours Saint-Germain」 参加など、制作活動の初期から大きな飛躍を遂げている。

その後、奄美大島のこども図書館の壁画制作や、建築家の妹島和世氏による「犬島の家プロジェクト」での壁画制作など、パブリックアートも多く手掛けており、2022年には瀬戸内国際芸術祭の出展作家として犬島で作品を発表。この年から犬島にいくつもの作品を点在させるプロジェクト「Inujimaアートランデブー」が始まることになる。またこの年、ロンドンにて個展「Lounging around」も行っている(GALERIE BOULAKIA)。

撮影:諸井純二

そして2025年4月に旅立った大宮さんが50歳を迎える予定だった11月21日、東京都内の3つのギャラリーで作品展が始まる。生涯作品1269点(絵画・写真・陶器・書籍)より厳選した作品が、それぞれのギャラリーで展示される。

中目黒DAIKANYAMA GARAGEでは【生涯作品:絵画・写真・書籍などで軌跡をたどる】として、大きな絵画作品をメインに約30点を展示。さらに動物のアートオブジェ、2Fには大宮エリーの部屋をイメージした空間も設けられる。また発表した39冊の本や写真、初披露の絵本の原画他、2023年にヴェネチア国際映画祭XR部門にノミネートされたVR映画《周波数》も上映する。

三宿「CAPSULE」では【遺作となった襖絵・陶器に気持ちを寄せて】とし、2024年最後の個展、京都・妙心寺山内桂春院で行われた【桃源郷を見つけに行こう~お寺でresort~】にて披露した陶器作品と襖絵34本を屏風に仕立て直した六曲一隻を1点と二曲一隻を3点展示する。

小山登美夫ギャラリー六本木では 【ギャラリーオーナー小山登美夫が精選した作品達】として2012年画家としてデビュー以来、晩年まで、様々な展覧会に尽力した オーナーが選んだ、絵画作品、ドローイングなどが展示される。

今回の3つの展示を通して、作家、画家という肩書き以前に、もはや「職業・大宮エリー」としか言いようがないその活動の広さと多様さ、そして尽きることがないクリエイティビティを見ることができるだろう。

大宮エリー 回顧展「生きているということ」

【生涯作品:絵画・写真・書籍などで軌跡をたどる】
会場1:DAIKANYAMA GARAGE 1F/2F
会期: 11月21日(金)~30日(日)
時間:11:00~19:00(最終入場 18:30)
入場料:500円(高校生以下は無料)

【遺作となった襖絵・陶器に気持ちを寄せて】
会場2:「CAPSULE」
会期: 11月21日(金)~30日(日)
時間:11:00~19:00(最終入場 18:30)
入場:無料

【ギャラリーオーナー小山登美夫が精選した作品達】  
会場3:小山登美夫ギャラリー六本木
会期: 11月21日(金)~30日(日)
時間:11:00~19:00(最終入場 18:30)
入場:無料

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