Robloxの上級副社長・CDOに聞く、世界に広がるクリエイター経済圏と日本企業の活用可能性

Roblox(ロブロックス)は、ゲームのプレイや制作、共有ができる、世界規模に広がるオンラインプラットフォームだ。デイリーアクティブユーザー(DAU)は、1億5150万人。日本でも急速に利用が拡大し、2022年第4四半期~2024年第4四半期にかけて、日本のDAU数は120%の増加となっている。
Robloxはなぜ急成長を遂げることができるのか。さらに日本の企業やクリエイターにとってはどのような活用の可能性があるのか。博報堂やナイキ、ウォルト・ディズニー・カンパニー、Metaなどで20年以上にわたってデザインやクリエイティブの分野に携わり、現在はRobloxの上級副社長・チーフデザインオフィサー(CDO)を務める加藤匡嗣氏に話を聞いた。

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加藤匡嗣氏

Roblox
上級副社長・チーフデザインオフィサー

Robloxで上級副社長・チーフデザインオフィサーとして、プロダクトデザインとクリエイティブを統括。これまでNikeでグローバルブランドデジタル本部長、ウォルト・ディズニー・カンパニーでデザイン担当副社長、Metaで副社長・Facebookデザイン責任者を歴任。米「Advertising Age」誌「40 under 40」や「Gold House A100」に選出されるなど、広告・デザイン分野で受賞多数。大阪府生まれ、ロサンゼルス在住。

DAUは1億5100万超 なぜ、Robloxは急激な成長を実現したのか?

Robloxの最大のテーマは、クリエイターとプレイヤーがプラットフォーム上に会し、ゲームを制作したり、そのゲームで遊んだりすること。Roblox上のゲームコンテンツはすべてユーザーによって生成されており、「Roblox Studio」というツールを用いて、ゲーム開発のプロから初心者まで、あらゆる人が自由にゲームを制作できるようになっている。

RobloxのDAUは、世界で1億5150万人。2025年第3四半期の決算では、前年同期比でDAUは70%増、売上高は48%増の14億ドルと、大きく成長している。また、Robloxの収益認識前の売上高は、前年同期比70%増の19億ドルで、そのうちアジアでは前年同期比110%増、日本では前年同期比125%増と、特に日本での成長が顕著に見られる。

こうした成長を支えるのは、Robloxの次のような特徴だ。

ひとつ目は、ゲーム制作のハードルが低く、クリエイターが収益を得られる仕組みがあること。「Roblox Studio」の利用は無料で、初心者向けに設計されており、ゲーム制作の経験がないクリエイターもコーディングやデザインなどが学べるようになっている。また、マネタイズの手法も豊富で、ゲームパス(特殊機能やコンテンツのスポット購入)の提供や、ゲームで使えるアバターアイテムやブーストなどへの課金制の導入、Robloxプレミアムユーザーからの収益分配、IPの展開など、さまざまな広がりがある。

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