そんなパ・リーグの魅力をつくり、発信しているのがパシフィックリーグマーケティング(PLM)だ。2007年にパ・リーグの6球団の共同出資により設立。PLMを代表する事業である「パーソル パ・リーグTV」は「パテレ」としてパ・リーグファンに愛され、パテレに取り上げられることを表す「パテレ行き」という言葉はパ・リーグファンの間で流行った。PLMはいかにしてパ・リーグの人気を高めようとしているのだろうか。新井仁代表取締役CEOに話を聞いた。
※本記事は情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学びたい人たちのために、おもに学部レベルの教育を2年間にわたって行う教育組織である、東京大学大学院情報学環教育部の有志と『宣伝会議』編集部が連携して実施する「宣伝会議学生記者」企画によって制作されたものです。企画・取材・執筆をすべて教育部の学生が自ら行っています。
※本記事の取材は教育部修了生の平松優太、教育部所属の松香怜央が、企画・取材・執筆は教育部所属・石崎正文が担当しました。
パ・リーグ6球団がまとまったからこそ、できることがある!
━━まず、事業の全体像を教えてください。
2007年の設立以来、「パ・リーグ6球団でまとまってやった方が良いこと」と「1球団ではできないこと」という考え方を軸に事業を推進してきました。
「パ・リーグ6球団でまとまってやった方が良いこと」では、主に金銭面や人員の面で共同した方が効率的にできることを事業として行っています。2007年の設立当時には、各球団公式サイトなどのインフラを整えることと、携帯電話でパ・リーグの試合が見られるインフラをつくり、そのサービス提供することの2つから始まりました。
現在では、業務効率化の側面が強かったそれらのインフラ整備に加えて、「1球団ではできないこと」としてパ・リーグのコンテンツ資産を活かした新たな事業の開発にも力を入れています。
具体的には「パーソル パ・リーグTV」という有料の試合ライブ配信事業やYouTubeやSNSの領域で情報発信をしています。またリーグタイトルパートナー(2025年シーズンは「パーソルホールディングス」)やリーグスポンサーの取りまとめという役割も担っています。他には、6球団で共同してイベントを行っており、2025年は大相撲とのコラボなどを実施し、力士の方々に球場に行っていただきました。
加えて、私たちは事業の前提として、「プロ野球の新しいファンを増やすこと」をミッションに掲げています。パ・リーグにとどまらず、「プロ野球界、スポーツ界の発展を通して、日本の社会全体を明るく元気にしていくこと」を目指しているので、スポーツのコンテンツ力で世の中の役に立ちたいと考えています。
パシフィックリーグマーケティング 代表取締役CEOの新井仁氏。
━━「パテレ」などの新事業は、NPBとどのような役割分担をしているのでしょうか。
日本の野球界は特殊で、各球団の尽力で成り立ってきたという生い立ちがあり、また現在も各球団ごとに、親会社やFC地域など外部環境も異なります。それゆえ簡単にひとつにまとまりきれないところもあります。NPB(日本野球機構)はルールの整備など主に競技を円滑に運営するという役割が強い組織です。
一方で私たち、パシフィックリーグマーケティングは、競技面ではなくビジネス面においての組織として役割を担っています。パ・リーグはセ・リーグに比べてファンの数やビジネスの規模が小さいので、パ・リーグだからこそ集まることができたという側面もあると考えています。
