dentsu Japanが全国50紙に小説風の全面広告を一斉出稿 狙いを聞く

dentsu Japan(国内電通グループ)は12月1日、日本経済新聞、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、地方紙45紙の朝刊に、「AI For Growthマーケティング変革支援サービス」の全面広告を掲載した。「未来の話?」と題された物語仕立てのクリエイティブで、架空の企業のマーケティング部でAIが自然と業務に組み込まれている様子が描かれている。

実データ 広告

日本経済新聞に出稿した30段広告。同紙以外は同内容の15段広告を出した。

コピー内容:

ここは、とある会社のマーケティング部。

一人の社員が新商品の企画をしている。

PCをのぞくと、どうやらAIペルソナにインタビューをしているようだ。

「そうか、そういう気持ちなのか…」

人間相手では聞きづらいホンネも聞き放題だ。

次は、企画のプロが育てた凄腕AIエージェントとの打ち合わせ。

「斬新な切り口はない?」

「アイデアを3つ考えました」

戦略を練り直すのもあっという間。

だからもう1案、また1案と、アイデアを探りたくなる。

午後、チームで企画を吟味。

大量のアイデアを前に、議論は白熱。
人とAIがともに刺激を受ける、まさにセッションだ。

AI導入で変わったのは、プロセスリエンジニアリングによってルーチンワークは自動化され、マーケターが創造的な業務に集中できるようになったこと。

AIデータセンターには顧客データや業務データが集まり、精度を高め続けている。

チームで選んだ30案の商品は、その日のうちにテストマーケへ。

膨大な生活者データを学んだ1億人規模のAIペルソナを使い、仮想定量調査ができるのだ。

何度やり直したってかまわない。経験しなくても経験している感覚。

「よし、これで行こう!」
最後は、意志と情熱で。それは人間だけのものだから。

もう現実になっている。これが、人とAIが高め合うマーケティング。

dentsu Japanによれば、同社はマーケティングサービスの提供社というイメージが強く、業務プロセス改善やAIシステム構築にも強いことがまだ知られていない。そこで、AIを活用したマーケティング変革支援サービスを提供していることを伝え、イメージを醸成するための広告として企画したという。ビジネスパーソンに広く知ってもらうため、媒体は新聞を選択。また、日本全国の地方紙に掲載することで、新聞広告をきっかけに、日本全体でAIマーケティングの変革を起こしていきたいと考えた。

コピーライティングを担当したのは、「AI For Growthマーケティング変革支援サービス」を推進するグロースオフィサーで、コピーライターでもある並河進氏。同氏によれば、タイトルに「未来の話?」と「?」をつけたのは、AIによるダイナミックな変化が「未来の話」ではなく「もう現実になっている」と伝えたかったから。また、AI導入は効率化が至上価値として語られがちだが、「人とAIが高め合って働く」プロセスから新たに生まれる価値こそが重要と考え、それを物語仕立てで伝えたいと考えた。

「『もう1案、また1案とアイデアを探りたくなる』『何度やり直したってかまわない』など、AIと一緒にいることで、失敗を恐れずにどんどんトライできるように人が変化している姿を描くことを心掛けました。今年は、AIがビジネスで大注目された一年でしたが、『実際どう役に立つの?』と疑問に思っているビジネスパーソンの方もまだまだ多くいます。このタイミングで、『dentsu Japanが目指す、人とAIの共創のかたち』を宣言し、多くの方に見ていただきたいと思います」(並河氏)

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スタッフリスト

ECD 佐々木康晴
CD+C 並河進
CD+AD 喜多昭夫
コピーディレクション 磯島拓矢
C 川田琢磨、山田健
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D 兼子友広、蛯澤尚輝
ピクトデザイン 松浦夏樹、海谷拓実
Pr 三好徳子

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