三省堂は12月3日、「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2025』選考発表会」を実施。2025年を代表・象徴する新語ベスト10を発表した。
三省堂が募集する「今年の新語」は、必ずしも「今年生まれた言葉」ではなく、あくまで「今年とくに広まったと感じられる新語」であるのが特徴。選定は、実際に国語辞典を編んでいる編者が担当。特定のジャンルやコミュニティーに偏らないよう、使用者層や使用域の広がりと使用頻度の高さを考慮し、来年以降も使われ、辞書に載ってもおかしくない日本語を選ぶ。今年の新語の選定は一般公募を実施。応募総数は延べ2,378通、異なり1,192語が集まった。
今回大賞に選ばれたのは、「ビジュ」。「ビジュアル」の略語で「見た目、外見」の意味で、以前から使用例はあったが、今年、ダンスボーカルグループM!LKの楽曲「イイじゃん」の歌詞から一気に広がりを見せ、投稿数の上位に躍り出たという（「ビジュいいじゃん」が6位、他に「ビジュ」「今日ビジュいいじゃん」「ビジュ良い」）。
使い方もアイドルの容姿にとどまらず、子どもや年配の方、さらにはペットやラーメンなどまで広がっている。また、多様な人々やものの、表にあらわれるいろいろな美しさを言い表すことばとして評価されたという。「誰だって輝く容姿を持っている」という見えにくかった事実がこの語によって可視化されることになった、重要なことばとして大賞に選ばれた。
大賞の「ビジュ」に続く2位は「オールドメディア」。SNSなどの新しいメディアに対し、従来の新聞・雑誌・放送などのメディアを指したことばだが、特に昨年からSNSを中心に批判的な意味合いを込めて使われるようになっている。「オールド」ならではの独自性、存在意義を示しつつ、また今の状況を反省し、より良く変化して行く必要性も明らかにした点で評価された。
3位の「えっほえっほ」はメンフクロウのネットミームが話題となり、多くの投稿を集めたことば。絵本などで、よく目にする掛け声だが、あらためて確認したところ、「えっさえっさ」「えっちらおっちら」などは辞書の見出し語にありますが、「えっほえっほ」は見出しがないという。荷物や駕籠、ものを運ぶ際、また一生懸命走る場合の掛け声としてあらためて辞書に載せておく必要性を見直したとして、選定された。
