2026年以降のシニア市場はどう変わる?ハルメクが示す最新5大トレンド

雑誌『ハルメク』を発行するハルメクホールディングスの社内シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」が、12月4日、「2025-2026シニアトレンド」を発表した。

同研究所が毎年公表している「シニアトレンド」は、シニア世代(主に50歳以上、調査対象の属性は年ごとに明示)の暮らしや価値観の変化を可視化し、企業のマーケティングや生活提案に活かすことを目的とした定例調査だ。同社によれば、調査上の便宜として“シニア”という言葉を用いているが、60歳以上の多くは自分を「シニア」とは認識していない傾向があり、あくまで分析上の記号として使用しているという。

これまで、シニア世代の価値観は年単位では大きく変わりにくいとされてきたが、近年は時代の変化のスピードに伴い、トレンドの変化が加速しているという。同研究所では、2026年以降も長く続くとみられる動きを、5つのキーワードとしてまとめた。

イメージ 「2025-2026シニアトレンド」

元気な「今」を楽しむ“イマ活”

ひとつ目は、健康で動ける「今」を楽しむために、時間やお金を体験に投資する「イマ活」だ。

「豪華クルーズ」「ちょっと上質なランチ」など、自分を喜ばせる体験が人気。ハルメク主催イベントでも、10万円超のオペラ鑑賞会や、歌舞伎・大相撲観戦などのプレミアムチケットが即完売しているという。

頑張った自分を労う“ご自愛消費”

ふたつ目は「ご自愛消費」。節約疲れの反動もあり、「理由があるなら高くても買いたい」「頑張った自分を労わりたい」といった、自分の心身を整える消費が増えている。

快眠・健康の効果が得られるリカバリーウェアや姿勢サポート製品の需要も高まった。

頼られる“戦力シニア”が増加

三つ目は、自由度の高い働き方を取り入れながら社会の“戦力”として活躍する60代以降の増加だ。

「おてつたび(リゾートワーク)」「タイミー(スポットワーク)」など、場所や時間に縛られない働き方が浸透し、シニアの就業率は上昇傾向にある。

総務省「労働力調査」によると、2014年から2024年で就業率は、
・65〜69歳:40.1% → 53.6%
・70〜74歳:24.0% → 35.1%
と大きく増加している。

魅力を再び輝かせる“再点火メイク”

四つ目は、年齢を重ねた自分に似合う美しさを求める「再点火メイク」。

シニア向けの美容教室の登場や、50代以上の美容系YouTuberの増加など、「今を生きる私に似合う」を美容に求める動きが拡大。時代に合わせ「自分の個性を引き出す武器」としてメイクを捉える動きはこれからも広がっていくだろうと分析している。

年賀状じまい、墓じまいなどの“ならわし卒業”

五つ目は「ならわし卒業」。生きかた上手研究所の調査では、「年賀状じまい」「墓じまい」「お中元・歳暮じまい」が進んでいることが明らかになった。「●●じまい」により、過去の形式に縛られず、自分らしい関係性や生きかたを再構築する行為は進むだろうと分析している。

ハルメク 生きかた上手研究所の梅津順江所長は、「時間もお金もキャンセルせず、“自分のために使う”シニアの存在は、これからの日本の経済と文化を力強く動かしていくだろう」と述べている。

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