忘年会シーズンに向けて新たな価値を提案
第一興商(DAM)は12月12日付の日本経済新聞朝刊に、全15段広告「DAM からのおすそわけ。」を掲載した。12月13日の「ビタミンの日」に合わせた企画で、ビタミンが豊富な野菜や果物の名称と、それになぞらえた名曲の曲名を連ねたイラストとともに、閲覧者へのメッセージを添えている。「声を出す」「音楽に浸る」ことでストレス発散などにつながるカラオケを「セルフケア」としてとらえ、「心と身体のビタミン」になるというメッセージを伝える狙いだ。12月15~21日には「新宿メトロスーパープレミアムセット」などで屋外広告も掲出する予定だ。
新聞やOOHに掲載する「DAM からのおすそわけ。」(左右で別広告)
「ビタミンの日」に合わせた広告掲出は今回が初めてだ。娯楽としてのカラオケだけでなく「健康増進」という価値を訴求することで、忘年会シーズンにおける新しい利用意向を形成する狙いがある。タイミングとしても、年末年始は体調を崩しやすいことから、「ビタミンの日」に合わせて企画を実施した。
また、同社のステートメント「歌うって、楽しいだけじゃない。心と身体を健康にし、世の中を良い方へ変えていくチカラがある。」とも合致しており、ストレス発散や有酸素運動にもつながるカラオケを、改めて「健康」の文脈で訴求したいという考えがあった。
広告ビジュアルは、野菜や果物が並ぶシュールなデザインで、一見するとカラオケの広告には見えない。これは「一見カラオケに見せないほうが、広告として吸引力が強いものになる」という意図によるものだ。
広告ビジュアル(全体)
電通東日本クリエイティブディレクターの松田脩氏は「よく見ると楽曲を並べていることがわかったほうが、驚きにもつながる」と話す。例えばレモン(Lemon)のイラストを近くで見ると、米津玄師の名前とともにナンバーが記されていることが分かる。「エンターテイメントを提供する会社として、そんなユーモアも大事にしたいと思った」とも語る。
掲出媒体や場所については、日経新聞での出向を起点に、30~50代のビジネスパーソンへの訴求を前提に選定した。OOHではターゲット層に限らず多くの人が接触することを狙い、新宿や渋谷など、SNSネイティブが多いスポットを選んだ。松田氏は「年末の挨拶回りなど外出も増えてくることもあり、営業職の方などにはフィットしやすいのではないか」と述べている。
「新宿メトロスーパープレミアムセット」などで掲出するOOH(イメージ)
今回の施策について、松田氏は「カラオケが単純な娯楽にとどまらず、健康という視点においても有効だという認知を広めることで、その需要拡大の一助になれば」と期待を寄せている。



