企業における生成AI活用は4割超に拡大、AIエージェントは浸透途上

矢野経済研究所は、国内企業の生成AIおよびAIエージェントの利用実態を明らかにする目的でアンケート調査を実施し、結果を発表した。調査は2025年6月末〜9月初にかけて、製造・サービス・流通・金融などの民間企業500社を対象に実施した。

生成AI活用状況、2年で大幅増

調査では、回答した496社のうち、生成AIを全社的に活用している企業が11.3%、一部の部署で活用している企業が32.1%で、合わせて43.4%の企業が生成AIを業務で活用していることが明らかになった。これは2024年調査の25.8%から17.6ポイント増加し、急速な普及を裏付けた。

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さらに、「現状は未活用だが将来的には活用したい」と回答した企業が23.4%を占め、活用中+活用意向層を合わせると7割弱の企業が生成AI利活用企業になる可能性があることを示した。

背景には、生成AI技術が文書作成や要約、アイデア創出などの単機能的な利用から、業務プロセスへの組み込みや業務効率化の手段として位置づけられ始めたことがあるとみられる。労働力不足が進む日本企業にとって、生成AIは業務効率化の重要なツールとして捉えられつつある。

AIエージェントは浸透途上、関心は高い

一方で、AIを「目的のために自律的に行動するAI」(AIエージェント)と定義したうえでの活用状況を見ると、生成AIを活用している企業(215社)のうち実際にAIエージェントを利用している企業は3.3%にとどまった。

ただし、導入検討中が13.5%、関心あり(情報収集中)が49.3%に達し、前向きな回答は全体の6割超にのぼった。これらのデータから、AIエージェントの導入はまだ初期段階にあるものの、今後普及が進む可能性が高いことがうかがえる。

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