昭文社 メディアソリューション部 横山紗希氏、昭文社 メディアソリューション部 大川朝子氏
ブランドの基盤にあるのは「旅好きな働く女性」の共感
昭文社は創業60年を超える歴史の中で培った出版事業のノウハウを活かし、メディアソリューション事業を確立させてきた。この事業の中核を担うのが、強力なブランド力を持つ『ことりっぷ』を活用したライセンスコラボレーション事業だ。『ことりっぷ』は、2008年に「20代後半から30代前半の働く女性」をコアターゲットにした旅行ガイドブックとして誕生し、2026年で18周年を迎える。当時の主流であったオールターゲット型の観光ガイドブックに対し、女性に特化したガイドブックとして、週末1泊2日、または2泊3日の「小さな旅」という独自のコンセプトを提案し、今日まで多様なメディア展開やコラボレーションなどで、事業範囲を着実に広げてきた。
『ことりっぷ』の価値は、単なる観光名所の紹介にとどまらず、編集部独自の視点で提案する、地元の人がのんびりと散歩するような無理のない旅のスタイルにある。コロナ禍を経て、ひとり旅の需要が高まり、自分らしいテーマで旅を楽しみたいというニーズが強まるなか、2025年にコンセプトを「休日に行く、小さなしあわせ 自分だけの旅」へと刷新。日常・非日常を問わず、「日々の小さな幸せ」を届けるブランドへと進化を続けている。
同社 メディアソリューション部の大川朝子氏は、「編集部が見つけた『まだ人に知られていない場所』も紹介し、『自分だけの旅』を提案している点が、ことりっぷの価値です」と語る。
『ことりっぷ』独自のブランド哲学と、旅好きの働く女性を中心に築き上げてきた強固なファンコミュニティこそが、昭文社のブランドビジネスの源泉となっている。
ライセンスコラボ事業は業種問わず問い合わせが増加
『ことりっぷ』を活用したライセンスコラボレーション事業は開始当初、県や市の観光課、広報課といった自治体からの依頼が圧倒的に多かった。販促用の冊子の制作実績は約300件にのぼるという。その一方で現在は、業種を問わず企業からの依頼も増加。背景にあるのは、機能やスペックといった商品そのものの価値訴求だけでは、ターゲットの心を動かしにくくなっているという企業の課題感だ。その解決策として『ことりっぷ』が選ばれる理由について、メディアソリューション部の横山紗希氏は、「自社の強みである編集力とターゲット理解が、読者に“共感”を呼ぶコンテンツづくりにつながっている点が評価されています」と分析する。
さらに大川氏は、『ことりっぷ』ブランドが市場の潜在的なニーズを牽引してきた経緯について、次のように語る。「例えば、自治体とのコラボレーションでは、消費型観光ではなく、その地域ならではの魅力を発見するような新しい旅のスタイルを提案してきたことで、ターゲットの潜在意識にあった『そういう旅がしたかった』というニーズを掘り起こしてきました」。
こうしたターゲットのインサイトを踏まえて情報を厳選する編集部独自の視点こそが、昭文社の強みである「目利き力」だ。これがターゲットである女性たちの共感を呼ぶコンテンツづくりの基盤となっている。
企業とのライセンスコラボレーションにおいても、その方針は一貫している。企画段階から昭文社の編集者が参画し、ブランドの世界観を活かしながら、クライアントと価値ある商品やサービスをつくり上げ、展開する。その代表例が、ロッテと地元スイーツ店との地域限定コラボスイーツだ。2020年から続く取り組みは、地域誘客効果と認知拡大の相乗効果を生み、現在16弾目を展開する息の長い共創となっている。
ロッテの「小さなチョコパイ」や「ふんわりプチケーキ」と旅先の店舗との3社コラボを実施。旅先の地元に長く愛されている店のスイーツメニューを商品化。パッケージに『ことりっぷ』の表紙柄を採用。
そのほかにも、食品や飲料、アパレル、雑貨、コスメなど、幅広い商材でコラボレーションが加速している。WebやSNSといった『ことりっぷ』のオウンドメディアを活かし、情報発信も網羅。編集力で「共創」し、メディア力を活かして「販促・認知拡大」。このワンストップのソリューションこそが、『ことりっぷ』が企業に選ばれる理由となっている。
いずれにしても、同社が提供するのは単なるロゴやデザインのライセンス提供ではない。ブランドの理念や思いをクライアントと共有し、価値ある商品やサービスを創出する「共創」にこそ価値がある。これこそが『ことりっぷ』とコラボレーションする際の核となる部分である。
プロフェッショナルな編集チームが持つ提案力の高さについて横山氏は「企業や自治体側からの要望も、もちろん取り入れますが、編集部の提案に対して、『こういった内容がユーザーに刺さるのか』といった新たな気付きを評価いただくことも多いです」と説明する。編集チームは基本的に全員女性で構成されており、多様な業種のクライアントに対して、ターゲットや目的に合わせた提案を企画から制作、イベント実施に至るまでワンストップで提供している。
同社は今後も、自治体の強力なバディとしてニーズに応えつつ、特に民間企業との連携も強化していく予定だ。例えば、周年事業やインナーブランディングを通じた組織強化、顧客のファン化や販促支援などをソリューションとして展開。旅の持つ「共感」や「非日常性」といった価値観を活用し、多岐にわたるマーケティング課題に応える体制を整えているという。
こうした展望を踏まえて、大川氏と横山氏は、次のように意気込みを語る。「ターゲットを深く理解した編集力と、『ことりっぷ』という旅行ガイドブック枠を超えたコンテンツや世界観を武器に、これからも幅広い業種や課題に対応できるビジネスパートナーとして成長していきたいと思います」。

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