「マッキー」だけでは済まなかった 国境を越える「模倣品」、法的手段も辞さないゼブラの「終わりなき闘い」

「マツキニ」騒動で可視化された、ブランドを守る姿勢

「『マッキー』じゃなくて『マツキニ』だった」。とあるユーザーの投稿をきっかけに、SNSでゼブラのロングセラー文具「マッキー」の模倣品が話題となった。当該投稿には700を超えるコメントが寄せられ、ECにおける模倣品流通への不満が可視化された。この問題に対し、ゼブラの公式アカウントも反応。「AdverTimes.」の取材によると、模倣品被害は「マッキー」にとどまらないという。国民的文房具メーカーを襲う模倣品被害の現状と、その対策を聞いた。

ゼブラの正規品「ハイマッキー」

話題となったのは、人気イラストレーターが1月15日にXへ投稿した内容だ。「店用にamazonでマッキーをまとめ買いしたんだけど、なんか書き心地が違う気がするな〜と思ってよく見たらマッキーじゃなくてマツキニだった」という投稿で、添付された写真には、「マツキニ」と称された、「マッキー」と酷似した商品パッケージが写っていた。

続くポストでは、「ペンの白いプリントも薄いし、箱の注意書きもよく見たら意味不明だった」、「太字のキャップを反対につけると細字のキャップが太字のキャップの中にはまって一生取れなくなる」、1カ月くらい本物だと思って使ってた」と、使用感や構造面での違和感についても言及している。

これに対し、「日本語がめちゃくちゃすぎる」「Amazonが偽物天国になっているのは問題だと思う」といった声が相次ぎ、ECにおける模倣品流通への不信感が浮き彫りとなった。

1月16日には、ゼブラの公式アカウントが反応した。「この度は、マッキーに関する情報提供をいただき、誠にありがとうございます。画像を拝見したところ、こちらは模倣品となります。模倣品に関して、弊社でも厳重に受け止め、ECサイトの監視や模倣品への対応を継続的に行っています。ご購入の際は、極端に安価な価格の製品や、販売元・出品者の情報が不明確な製品にはご注意いただけましたら幸いです。」とコメントした。

SNSで可視化された模倣品被害 ゼブラの危機感

SNSにおけるゼブラの注意喚起

取材に対し、知的財産部の川畑俊裕部長は「今回の投稿を通じて、多くのお客様に模倣品の存在が伝わったことを重く受け止めており、知的財産担当者として非常に身が引き締まる思いだ」と語る。また、「マッキーというブランドが、いかにお客様の生活に密着し、信頼されているか。その期待の大きさを改めて実感した」と反響についても振り返った。

正規品は、厳格な品質管理のもと、インクの安全性や筆記性能、耐光性、キャップの気密性、製品自体の耐久性に至るまで、厳しい自社基準をクリアしている。

一方、模倣品は正規品の品質基準に達しておらず、インクの発色やキャップの構造がわずかに異なるケースも確認されている。同社は、こうした低品質な製品が流通することで、正規品への風評被害につながることを懸念している。

現時点では、マッキーの模倣品は日本国内と一部の海外市場で確認されているという。主に一部の海外ECモールを中心に流通していると見ており、国境を越えた商取引によって拡大している状況だ。爆発的に広がっているわけではないものの、川畑氏は「お客様の目に触れる接点が多い」と捉えている。

川畑氏は「特定のチャネルの責任とするのではなく、各プラットフォーム運営者の皆様とも協力的な関係を築いていきたい」としており、顧客がどのチャネルにおいても安心して同ブランドを購入できる市場環境を、協力しながら構築していく考えだ。

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