コクヨ 安永哲郎さんのプレイリスト「色とりどりの孤独の情景が浮かぶ」楽曲たち

クリエイターの皆さんに独自のお題を設定してもらいプレイリストをつくってもらうシリーズ企画。プレイリストはSpotifyでも公開中です。

孤独もいろいろ

ひとくちに孤独といっても、そこにはさまざまな感情があります。悲しみに暮れる孤独もあれば、ほくそ笑むような孤独もある。奮い立つ孤独。愛ゆえに孤独。カニを食べている時は誰もが孤独。そんな色とりどりの孤独の情景が浮かぶ楽曲を集めてみました。

「人間は社会的動物。ゆえに孤独が必要」と言ったのはアリストテレスだったかマツコ・デラックスだったか定かではありませんが、とかく人が創造的であるためにいつでも携えておきたいのはスマホよりも孤独ではないでしょうか。哲学や美学の領域で20~30 代の若き書き手たちが積極的な孤独の肯定を唱える昨今の潮流にも、ある種の兆しを感じます。利他、ケア、ユマニチュードといった精神性の根底に流れる人間らしさを紐解くカギは、繋がりを感じながらも独りでいられる環境世界の中にあるような気がします。

そういえば昨年、ORDINARY AUDIOというカセットテープのプロジェクトを立ち上げました。最初のラインアップのテーマは「Sound for Good Alone」。5 組のアーティストのひとり、岡田拓郎さんは、お題を伝えた十日後に全曲を仕上げてくれました。彼らしからぬ、でも彼にしか成し得ないオブスキュアな珍種のビートミュージック。懐に遊び心を忍ばせて、どこまでも深く実験へと潜りつつ、そのスタンスはどこまでもユーモラス&リラックス。それでいて先鋭。背中越しに孤独を楽しむ制作中の姿が目に浮かびます。

ところで、私が社会人になる二週間前に急逝された佐藤伸治さんが後期フィッシュマンズで目指したのは、「一人でできる音楽を仲間とやる」ことだったそう。社会もかくあるべしと思う今日この頃です。悪くないな、孤独。

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安永哲郎(やすなが・てつろう)

コクヨ クリエイティブセンター/ YOHAK DESIGN STUDIO クリエイティブディレクター。社会福祉法人東香会業務執行理事。場・体験・コミュニティにまつわるコンセプトデザインとコンテンツディレクションを基軸に、同社の 120 周年リブランディング、街に開かれたオフィス「THE CAMPUS」などのプロデュースを担当。音楽家/選曲家としても、サウンドアートや実験音楽を主なフィールドに国内外で活動を続けている。

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