「エージェント型ショッピング」への転換
11月下旬の感謝祭から12月のクリスマス、年末年始にかけての「ホリデーシーズン」。この米国最大の商戦期における購買行動や小売各社の動きを分析したところ、活況の背景にはAIの存在感の高まりがあることがわかった。
米セールスフォースが発表した調査によると、2025年11月1日から12月31日までの期間のオンライン売上高は、全世界で1.29兆ドル(前年比7%増)、米国で2940億ドル(前年比4%増)に達した。平均販売価格が上昇する中でも、消費者の購買行動はホリデーシーズンを通じて堅調に推移している。
この成長を支えた要因の一つが、AIおよびAIエージェントの活用だ。セールスフォースは、AIとエージェントがホリデー期間中の小売売上全体の20%に影響を与え、世界全体で2620億ドルの売上創出に寄与したと分析している。
高い購買意欲をもたらす「AI検索流入」
米国市場で特に注目されるのが、AIを活用した検索チャネルの台頭だ。ChatGPTやPerplexityといったサードパーティのAI検索経由による小売サイトへのトラフィックは、前年の2倍に拡大した。規模自体は依然として成長途上にあるものの、AI検索経由の来訪者は購買意欲が高く、ソーシャルメディア経由と比べて9倍の購入転換率を示したという。
これは、AI検索が単なる情報探索ではなく、購入意図を伴った「発見」の動線として機能し始めていることを示唆する。米国のホリデー商戦において、集客チャネルの質そのものが変化しつつある状況が浮かび上がる。
売上成長だけでなく、業務効率にも寄与
AIの影響は売上面にとどまらない。小売企業が自社で導入したAIエージェントは、業務効率の改善にも大きく貢献した。セールスフォースによると、自社AIエージェントを展開した企業は、平均6.2%の前年同期比の売上成長を記録し、非導入企業(3.9%)を上回った。成長率ベースでは59%高い水準となる。
また、ホリデー繁忙期におけるカスタマーサービス用途でのAI活用は顕著で、消費者によるAI・エージェント利用は、直前2カ月と比べて126%増加した。
