第5回「プロジェクトデザイン」

本コラムは2026年4月1日発売予定の『THE CUSTOMER CENTRIC COMPANY 顧客基点経営 10の実践』の編著者、岩井琢磨氏をはじめ多くの企業の「顧客基点経営への変革」を支援してきたコンサルティング・ファーム顧客時間の主要メンバー5人による特別企画です。第5回は顧客時間 Project Management Office 辻 千尋氏が担当します。

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辻 千尋

顧客時間Project Management Office

武蔵野美術大学建築学科卒業。EC事業会社を経て、2008年 ユナイテッドアローズに入社。新規事業「coen(コーエン)」の立ち上げメンバーとして配属。販売促進部門の責任者として、オウンドメディア、会員サービスの開発・運営を主導する。2021年6月よりフリーランスに転向。EC・Webマーケティング戦略立案や運用のコンサルなど、主にリテール事業会社を支援。2023年より顧客時間に参画。

「プロジェクト」が掛け声になっていないか?

「プロジェクト」という言葉を聞いて、貴方は今、どのような感情を抱くだろうか?

「まだ見ぬ世界を切り拓くために」と、未知の課題に対して好奇心と希望を胸に、わくわくする人もいるだろう。一方で「このプロジェクトを進めて一体何になるだろうか。ややこしいだけで、目的が分からず徒労感すら感じる」と思う人も少なくないのではないだろうか。

これはある意味、私たちが推し進めてきた「DX(デジタルトランスフォーメーション)」がもたらした功罪とも言える。部門横断の大型投資案件を動かすために、膨大な会議時間を費やし、途方もない量のドキュメントを作り、読み込む。しかし、手段であるはずのDXにおいて、サービスやシステムのリリース自体が難しいため、いつの間にか「リリースすること」が目的になってしまう場合がある。

さらに2025年、私たちは生成AIの民主化という大きな潮目を迎えた。 構造が劇的に変化する中で、本来クリエイティブであるはずの制作現場でもAI活用が当たり前になった。そこで聞こえてくるのは、マネジメント層の新たな悩みの声だ。AIによって何となく形にはなっているが、それが本当に人の心を動かすモノになっているか?ということだ。なまじよくできているから、どこを改善し、どうクリエイティブに昇華するべきか、部下に指導するのが難しいという。

このDXの行き詰まりや、AIによる「意味の空洞化」がもたらすビジネス現場の膠着や困難をどう打破するか。「プロジェクト」の結末の主人公である“キモチ”や“感性”という、本来触れる(touch)べきものが置き去りになってはいないか?

ここからは、「変革を推進するためのプロジェクトをどのようにデザインすべきか」という切実な問いに対し、立ち止まって確認すべき「3つの点検項目」を考察したい。

点検①熱源を見つけ、見失わないこと

まず私たちが認識すべきなのは、現代が「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)」と呼ばれる、極めて不確実で流動的な時代ということだ。AIの登場によって変化のスピードはさらに加速し、もはや誰も「リアルな終着点」を正確に想像できていないのではないだろうか。

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CX-DesignのRe-Design 〜顧客体験の思考法〜
岩井 琢磨(顧客時間 代表取締役)

1993年博報堂DYグループに入社。インストア・プランナー、クリエイティブ・ディレクター、ブランドコンサルタントとしての企業再生プロジェクト参画を経て、Chief Project Manager。2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO代表取締役に就任。Head of Managementとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、製造業・流通サービス業・金融業などにおけるCX変革プロジェクト・事業開発プロジェクトの設計・支援を行っている。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。内田和成研究室所属。2025年1月より株式会社 AgeWellJapan 社外取締役。

岩井 琢磨(顧客時間 代表取締役)

1993年博報堂DYグループに入社。インストア・プランナー、クリエイティブ・ディレクター、ブランドコンサルタントとしての企業再生プロジェクト参画を経て、Chief Project Manager。2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO代表取締役に就任。Head of Managementとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、製造業・流通サービス業・金融業などにおけるCX変革プロジェクト・事業開発プロジェクトの設計・支援を行っている。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。内田和成研究室所属。2025年1月より株式会社 AgeWellJapan 社外取締役。

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