朝日広告社は6月2日、パーパスブランディングの実態に関する調査結果を発表した。55業界の、従業員数300名以上の企業に勤める正社員5621人を対象として1月から2月にかけて調査を実施し、パーパスの規定状況や浸透に影響を与えた取り組みなどを聴取したもの。
パーパスを規定している企業は3割 「銀行・信託」「保険」では特に高い
対象となった企業のうち、パーパスを規定している企業は29.8%と全体のおよそ3割。「パーパスに類するものが規定されている」と回答した企業(32.3%)を含めると6割にのぼる。パーパスの規定割合が高い業界は「銀行・信託」(52.4%)、「保険」(50.5%)がいずれも5割を超えており、「自動車修理・補修業」は14.6%と最も低い結果を見せた。
パーパスを規定している上位5業界と下位5業界の規定状況。
パーパスの浸透施策「経営トップからの発信」がトップに
ーパスの浸透施策についての調査では、パーパスを知ったきっかけとなった取り組みと、最も影響を受けた取り組みを調査。「きっかけとなった取り組み」についての調査では、「経営トップからの発信」が最も回答率が高く、63.1%が回答。「社内研修・イベント」「社内向け情報発信」「上司・同僚との日常的な対話」が続いた。
パーパスを知ったきっかけとなった取り組みと、最も影響を受けた取り組みの調査についての調査結果。
「最も影響を受けた取り組み」についての調査でもまた、「経営トップからの発信」(39.3%)が最多である点は変わらない。一方で、「パーパスを知ったきっかけとなった取り組み」の回答結果とは異なり、「社内研修・イベント」「上司・同僚との日常的な対話」「評価制度・目標・業務ルール」など、経営トップ発信以外の取り組みを選んだ人が過半数を占めている。「経営トップからの発信」は、知るきっかけとしても、影響を与える取り組みとしても重要だが、浸透を進めるうえでは、複数の取り組みを組み合わせて実行することが重要であることがわかる結果となった。
パーパス認知の入り口施策の組み合わせの3類型
朝日広告社は、コレスポンデンス分析により、業界ごとにパーパス認知の入口となりやすい取り組みの組み合わせに違いがあるとして、以下の3つの類型に整理した。
ひとつは「社内施策型」で情報サービス、食料・飲料卸、薬剤・医薬品、ソフトウェア、保険、食料・飲料小売、老人福祉・介護、不動産、プラスチック製品など。「経営トップからの発信」「社内研修・イベント」「評価制度・目標・業務ルールへの反映」といった取り組みが比較的まとまった位置にあり、社内でパーパスを伝え、共有し、業務に接続していく施策群としてまとまりを持つ傾向にある。
2つ目は「現場対話型」で自動車修理・補修業、その他一次産業、倉庫、飲食店、清掃業など。「上司・同僚との日常的な対話」が独自の位置を占めている。現場でのやり取りや日常対話を通じてパーパスを知る経路が相対的に目立つと考えられる。
3つ目は「社外接点型」で、理容・美容、パルプ・紙など。「自社の広告・SNSなどの社外発信」と「社外からの評価や反応」が近い位置にあるため、社外との接点を通じて認知が形成されると考えられる。

パーパス認知施策の業界ごとの浸透策。


