日本電気(NEC)や松下電器産業(旧パナソニック)を超える存在になりたい―。1973年に創業した日本電産、現在のニデックの社名には、そんな決意が込められていた。
ニデックは6月18日、取締役会と各委員会の新体制を発表した。会計不正と品質問題を受けたガバナンス改革の一環で、取締役会議長を代表取締役社長執行役員の岸田光哉氏から、社外取締役の佐久間総一郎氏に変更した。監査等委員会、指名委員会、報酬委員会も社外取締役のみで構成し、執行側への監督機能と役員人事・報酬決定の客観性を高める。
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同社は6月1日付で、取締役会の活動を支援する「取締役会室」も設置。取締役会と執行側の連携を図り、取締役会の実効性を高める考えだ。
背景にあるのは、一連の会計不正問題だ。ニデックでは、グループ会社を含む会計処理をめぐり、不適切な処理が相次いで判明した。第三者委員会の調査などを通じて、費用や損失の計上を先送りする処理、収益を過大に見せる処理などが確認され、内部統制やガバナンスの実効性が問われる事態となった。
同社は、会計不正問題に係る第三者委員会設置以降、企業風土改革とガバナンス改革を進めている。岸田氏の再任についても、同社は企業風土改革およびガバナンス改革を先頭に立って牽引していることを理由に挙げた。
同日午前には京都市内で定時株主総会が開かれた。報道によると、議長を務めた岸田氏は冒頭で、一連の会計不正や品質不正について株主に陳謝した。会場では株主から、創業者の永守重信氏や会社側に対する怒りの声も相次いだという。会計不正を「簡単な粉飾」と指摘し、短期間で企業風土改革ができるのか疑問を呈する声や、永守氏本人による説明を求める声も出た。
社名変更に込めていた「大志」
会計不正問題は、業績や内部統制にとどまらず、同社が社名変更後に築いてきた企業ブランドの信頼にも影を落としている。ニデックは2023年4月に日本電産から社名を変更し、グローバルブランド「Nidec」と社名を統一した。新社名の浸透に向けたCM展開も成果を上げていたが、不正会計の発覚後は、東証による特別注意銘柄指定や株主総会での厳しい声など、ステークホルダーからの信頼回復が課題となっている。
