東京ゲームショウ2026開催、30周年の節目に広がる異業種参入——スズキ、ダンロップ、パナソニック、吉本興業の狙いと手応え

9月17日から21日までの5日間、千葉市の幕張メッセで「東京ゲームショウ2026」(以下、TGS2026)が開催されている。今年のテーマは「史上最長、遊びづくしの5DAYS」。1996年の初開催から30周年を迎えた今回、初めて5日間開催に踏み切った。出展社数は1138社、53の国・地域から参加があり、いずれも過去最多を記録している。主催はコンピュータエンターテインメント協会(CESA)、共催は日経BPおよびソニー・ミュージックソリューションズ。会場は幕張メッセ1〜11ホールに加え、国際会議場、TKP東京ベイ幕張ホールへと広がり、ファミリーゲームパークの新設会場移転なども実施されている。

ゲーム業界の外から集まる企業たち

世界のゲームコンテンツ市場規模は32.1兆円に達し、2024年の日本のコンテンツ産業輸出額6.1兆円のうちゲームが56%を占める。こうした産業としての存在感の拡大を背景に、TGS2026では異業種からの参入が一つの注目トピックとなっている。

TGS2026の出展社動向について、ゲーム業界外の企業が名を連ね、会場内にはパナソニックやダンロップ(住友ゴム工業)など、従来のゲームショウでは見かけなかったブースが並ぶ。

各社はそれぞれ異なる事業目的——ブランド認知、新規事業開発、若年層へのタッチポイント構築——を掲げてゲーム領域に足を踏み入れている。ビジネスデイ2日目となる9月18日、会場で各社の担当者に話を聞いた。

スズキの若年層戦略

スズキは昨年に続き2回目のTGS出展となる。きっかけは約2年前、カプコンが主催する「ストリートファイター」の競技大会「カプコンカップ」にトップパートナーとして協賛したことだった。スズキのデジタル化推進部・DX推進課の金原悠太氏によれば、出展の目的は明確で、若年層に対するブランド認知の獲得にある。

TGS初出展の昨年は二輪(バイク)のみの出展だったが、SNS上での反響が社内で高く評価された。金原氏は、従来バイクや車はSNSでバズりにくく、若者離れという課題もあったと振り返る。ところがゲームイベントへの出展をきっかけにSNS上で話題が拡散し、「バイクってかっこいいよね」という声が社長や重役にまで届いたという。その結果、ゲームコラボ仕様のバイクを市販化する判断が下された。TGS2026では、その商品化の発表がゲームショウに合わせて行われている。

2年目の手応えについて、金原氏は来場者の定着を実感していると語る。「将来、バイクの免許を取ったり、購入してくれる未来が、うっすら見えてきた」。ゲームの世界にはバイクが登場する場面が多く、非日常性や「操る」感覚がバイクとゲームに共通しているという見立てだ。ゲームユーザーからバイクユーザーへの「滑らかな流れ」を作ることが、中長期的な狙いとなっている。

また、eスポーツイベント特有のUGC(ユーザー生成コンテンツ)の作りやすさにも注目しているという。プロ選手や実況者、インフルエンサーがブースに立ち寄り、自発的にSNSで発信してくれるフットワークの軽さは、他のイベントにはない特徴だと評価していた。

写真 イベントの様子

今年は「ストリートファイター6」とのコラボで四輪も加えた展開に拡大した。会場にはスズキの軽トラック「CARRY」も展示されている。TGSの公式インフルエンサー「TGS BOOSTERZ」のタレント・最上もががブースに立ち寄っていた

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