※本記事は、『ブレーン』の連載「楓セビルのアメリカンクリエイティビティ」の「世界の広告賞を解剖する」シリーズ(12月号掲載分)を転載したものです(一部当時の状況と変わっている部分もございます。ご了承ください)。
【カンヌ直前集中連載】世界の広告賞をおさらいしよう(1)はこちら
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文・楓セビル
国際広告賞の審査はフェアか?
このコラムでは、これまで2 回にわたって、国際広告賞に関する情報を提供してきた。1回目は
を含む横綱的存在である国際広告賞を取り上げ、2回目ではそれより小粒な、しかしそれぞれに個性を持った特記すべき国際賞を紹介した。第3 回目では、多少このコラムの主旨に反するが、西欧で行なわれている国際広告賞が、はたして本当にフェアに、もしくは理解されて審査されているのかどうかを考察したい。
実はこのテーマに関しては、既に何人もの広告人が議論を展開してきた。中でも、バージニア州リッチモンドのザ・マーティン・エージェンシーのCCO マイク・ヒューズが2010 年に『アドエイジ』誌に書いた「なぜ、国際広告賞の審査は間違っているか」という記事は、多くのアドパーソンに国際広告賞の存在を再考させるきっかけになった。

リッチモンドの広告会社ザ・マーティン・エージェンシーの共同CCOマイク・ヒューズ。保険会社ゲイコ(Geico)などを手がけ、ザ・マーティン・エージェンシーを世界的な広告会社に育て上げた人物。
今回のコラムでは、このマイク・ヒューズを含む国際広告賞に関係するアドパーソンへのインタビューと、マイク・ヒューズの意見が本当に正しいのかどうかを調べるために、クリスピン・ポーター+ボガスキー(CP+B)のスウェーデン支社が行なった「ゴールデンエッグ」なる調査を紹介することにする。