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いつまでもCTRでいいの? Facebook社の担当者来日、広告効果測定のフレームワーク提唱

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オンライン広告の効果指標は、本当にCTR(クリック・スルー・レート)が適切なのか…。4月12日Facebook社でアジア太平洋地域における、Facebook広告の効果測定を担当するDoug Fraser(ダグ・フレーザー)氏が来日。これまで行ってきた効果測定の結果をもとにオンライン広告の新たな効果測定フレームについて、同社の考えを説明した。

CTRとブランドに対するレゾナンス、またオフラインでの売上には相関関係が見当たらないとするニールセンが行った調査結果に言及し、「CTRを見てオンラインにおけるブランド広告の投資を決めることは意味をなさない」と指摘。実際にFacebook広告の調査でも、その後の当該商品の購入を調査したところ、購入した人の99%は広告をクリックしていないユーザーであったという結果もでていると話した。

では、CTRにかわる効果測定のフレームワークとはどうあるべきなのか。それに対し、ダグ・フレーザー氏は①リーチ、②ブランドレゾナンス、③リアクションの3つの指標を提唱。この指標を用いることで、広告主はオンライン上の複数のメディアを適切に比較・検討できるようになるとした。さらに、この指標を企画する上では古くからあるマス広告の効果検証のフレームワークも用いているので、従来オンライン広告だけでCTRの指標が流通してしまっているがゆえに難しかった、マスメディアをはじめとした他のメディアとの比較検討も可能になるとしている。

またそれぞれの指標に基づく、Facebookでのブランド広告の効果検証の結果も発表。①のリーチでは、ユーザーの属性が把握できるがゆえ、ターゲットにリーチする正確性が他のオンラインメディアの広告に比べて高かったという。ニールセンの「OCR(Online Campaign Ratings)」によれば、ターゲットにリーチする正確性で、18~54歳の比較的広いターゲットにおいては、オンライン広告平均が77%なのに対し、Facebook広告では94%。より絞り込まれた18~34歳の女性のターゲットに対しては、オンライン広告平均が27%なのに対し、Facebook広告では91%だったという。ダグ・フレーザー氏はリーチとフリークエンシーのマネジメントで、Facebook広告のROIを約40%高めることができたという同社の検証結果も説明した。

さらに②のブランドレゾナンスは、広告メッセージがどれだけブランドに対するユーザーの意識や態度に与えた変化を見るもので、広告想起やブランド想起などの測定から検証。また③のリアクションは、購入や申込みなどユーザーに具体的なアクションを起こさせたかで検証する。

③についてはDatalogix社と共同で実施した広告が購買行動に与えた影響の検証結果をもとに解説。このプロジェクトではFacebook 社がユーザーの属性や行動に関する情報を、それとは別に小売店の会員システムから100以上のカテゴリーに属する約5000の消費財ブランドの店頭における購買情報をDatalogix社に提供。プライバシーに配慮し、ユーザー個人を特定しない形でFacebook広告を見たユーザーが実際にその商品を購入したか否かの検証を行ったという。その結果、Facebook広告を使った約60の消費財のキャンペーンのうち、70%で3倍以上の広告費回収率を、また49%で5倍以上の広告費回収率を達成したことが分かったという。

また③リアクションの事例では通信事業者のケースも発表。Facebookはモバイル経由でアクセスするとキャリア、デバイス、OSが情報として記録されるため、特にモバイル関連事業者のキャンペーンでは、適切なターゲティングにより、高い効果を発揮するケースが多いと解説。Samsung mobileのスマートフォンの新機種ローンチのキャンペーンでは、Facebookで広告を目にしたユーザーの購入による商品の売上が1億2900万ドルに達したとしている(同キャンペーンはFacebook以外でも広告は打っている)。

ダグ・フレーザー氏は「CTRに変わる広告効果測定のフレームを使うことで、オンラインにおける広告の精度はより高めていくことができるし、また他のメディアの広告と同様の視点で比較検討ができるようになる」とし、3つの指標をその時々のマーケティング課題や広告活動の目的に応じて使いこなすことが必要と話した。

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