ネスレ日本は8月28日、「カフェ ネスカフェ原宿」(東京・渋谷区)にて、高岡浩三代表取締役社長兼CEOらが登壇しての新製品・事業発表会を開催。同社が1960年から販売してきた「ネスカフェ」を刷新。従来のインスタントコーヒーから「挽き豆包み製法」を採用した「レギュラーソリュブルコーヒー」へと全面移行し、9月1日から新製品「ネスカフェ 挽き豆包みコーヒー」を発売することが発表された。この新製品の発売を機に新カテゴリー「レギュラーソリュブルコーヒー」市場を開拓していく。
現在1年間に日本国内で飲用されるコーヒーは約480億杯。そのうちの約120億杯、4分の1を占め、国内トップシェアを誇るのが「ネスカフェ」。特にこの3年間で、家庭内での飲用で5億杯、家庭外での飲用で5億杯と合計10億杯分、飲用機会を拡大させた。
日本以外の市場ではコーヒーマシーンを使用し、「ネスカフェ」が飲食店でも提供されていたが、日本市場では家庭内の飲用が中心。家庭外の飲用シーン拡大に貢献したのが、原宿、三宮、博多の三都市で展開する「カフェ ネスカフェ」や「カフェ ネスカフェ」のメニューを外食事業者向けに提供する「カフェ ネスカフェサテライト」、小売り店向けに提供する「カフェ・イン・ショップ」、さらにすでに全国で6万以上のオフィスで運用されている「ネスカフェ アンバサダー」(「ネスカフェ アンバサダー」に登録すると無料で「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」を使用できるシステム)などの新しい事業モデルの開拓にある。
高岡浩三社長が登壇しての発表会。発表会前には参加した記者を対象にレギュラーコーヒーと新製品「ネスカフェ 挽き豆包みコーヒー」を飲み比べるテイスティング企画も。発表会中に「テイスティングをした記者の62%が『ネスカフェ 挽き豆包みコーヒー』を美味しいと選んだ」という結果も発表された。
高岡浩三氏は「副社長時代、原宿に『カフェ ネスカフェ』をオープンした際は、コーヒーマシーンを使うといえども、他の飲食店と同様の価格帯でインスタントコーヒーを提供しお客さまに満足していただけるか我々自身に不安があった。カフェ運営は飲食店を運営する外部企業に委託しているが、当初は赤字を覚悟。店舗運営において発生した赤字は当社が補てんする契約をしていた」と話した。
ところがいざ開店してみると、3カ月で黒字化。『ネスカフェ』ブランドの家庭外飲用シーンの拡大に向けた、各種施策を本格化するきっかけとなったという。
今回、発売された「レギュラーソリュブルコーヒー」はすでに日本では「ネスカフェ 香味焙煎」というブランドでテストマーケティング的に展開していたが、そこでの成果を受け、今回、ネスカフェブランドを全面的に「レギュラーソリュブルコーヒー」に移行する決断がなされた。同社では家庭内外の飲用シーンを拡大し、2018年には現在4分の1のシェアを3分の1までに拡大させたい考えだ。
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