ヒット企画を生む主婦インサイトの深掘り方

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20〜40代の女性実売No.1と、絶大な支持を得る生活情報誌『サンキュ!』。料理や収納・インテリア、家計やりくり術、美容・ダイエットなど、時代にフィットした暮らし全方位情報を発信している一方、編集部に蓄積されている知見を企業のマーケティングに生かす取り組みも増えている。読者の多様化に伴い、ますます注目される『サンキュ!』ならではの強みとは?

発行部数35万部/毎月2日発売/定価420円/ベネッセコーポレーション刊

今どき、“あえてインスタントカメラ”で編集者の嗅覚をみがく

出版不況の中、なぜ『サンキュ!』は売れ続けているのか。同編集部が実施したアンケートによれば、『サンキュ!』購入者のうち、1年間の全号を購入した人は25%にものぼる(定期購読除く)。そうした人気の秘密は、デジタルとアナログを活用した取材力にある。

まず挙げられるのは、編集部の徹底したリサーチ力。日頃の取材やアンケート調査はもちろん、発売後の事後調査を通じて、一つひとつの企画が、どのように当たったのか、どれだけの読者を獲得したのかについて編集部がすべて数字で把握し、総括している。

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『サンキュ!』編集長武田史子氏
『ひよこクラブ』を経て2013年より現職。訪問した読者宅は1000軒以上。内閣府の少子化社会対策検討委員を2期連続つとめる。

雑誌編集部では珍しい、すべてを数値化してPDCAサイクルを回すマーケティングを徹底していることについて、武田編集長は「主婦のトレンドは、大きく変わるのではなく、時代に合わせて、少しずつ静かに変化するもの。あらゆる調査を駆使して、わずかな変化も見逃しません」と話す。

一方で、データはあくまでデータであり、そのデータをどう解釈するかは、最終的には編集者のセンスや感覚に委ねられる。

そうしたセンスや感覚は、どのように磨かれているのか。その答えは、データを活用した徹底的なリサーチと相反するようなアナログな手法で、主婦たちのインサイトをさらに深掘りしていることにある。それを体現しているのが、インスタントカメラによる下取材だ。

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