【前回】「「中国ではため息をつかない」高速トライ&エラーで進行する中国テクノロジー革命 — 中国レポート上海編」はこちら
コミュニケーションアプリWeChatによるモバイルペイメントが一般化するなど、生活に密着したテクノロジー活用が急速に発展している中国。博報堂 インタラクティブデザイン局の林智彦さんは、今年5月に上海、そして「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深センを訪れ、「テクノロジー革命」の最前線の“現場”を体験して来ました。この記事では、前編(上海)後編(深セン)の2回にわたって現地からのレポートをお届けします。
文・林智彦(博報堂 インタラクティブデザイン局)
深センとは、香港・ベトナムに近い南部の都市。世界のハードウェア製造の中心地で、Appleの生産で有名なフォックスコンなどが工場を構える。開発や設計のレベルも高く、ハードウェアスタートアップの聖地とも呼ばれている。
nuuoをやっていた際、自社ロボット「nubot」の量産に取り組んでいた頃よくこの地名を耳にした。
いまでは、深センで行われるメーカーズフェア(サンフランシスコ発の一般ユーザーによるハードウェアの出展祭)には、約20万人が参加し、グローバルスタートアップが生まれてくる土地になっている。
ちなみにWired UK 2016年4月号の表紙は、「IT’S TIME TO COPY CHINA」。スマートフォンブランド・XIAOMI(シャオミ)創業者の雷軍がどーんと中央に映っていた。
実際、中国のシリコンバレーと言われる深センのmakersたちに接してみると、志・そして製品クオリティの高いハードウェアスタートアップ経営者たちの新しい動きが進んでいて、この見出しもうなずける。
街には華強北という秋葉原の20倍位でかい巨大な電気街が存在し、プロトタイプのためのパーツ、スマートウォッチやDroneなどのガジェットなど、あらゆるデジタルパーツが玉石混交で調達できる。
