コラム

CSR視点で広報を考える

元米大統領補佐官から聞いた「目からウロコ」の話!

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「納得させる」とはどんなことか?

人心掌握を得意とする元米国大統領補佐官から聞いた。彼によれば人々を納得させるにはその内容に3つの要素が必要だという。

1番目は“logical”。「論理的」と訳されることが多いが、この意味は、その内容が事実か、あるいは憲法・法律・法令など、何らかのルールでそれが正しいと証明されていることである。したがって、”It’s logical.”と言えば、「どこに正しいと書いてあるの?」と聞かれる。自分が正しいと証明しなくても、それがどのルールに書かれているのかを示せば足りるという意味で、多くの人々を容易に納得させることができるのだ。

2番目は“reasonable”。「合理的」と訳されることが多いが、この意味は、その内容が世論を代表するようなものであることである。老若男女、あらゆる世代・職種・人種などで、概ね納得できる内容であることが不可欠である。どこかに「正しい」とは証明されていないが、納得できる根拠が存在しており、精神的に受け入れやすい点がポイントである。一方、“reasonably doubt”という言葉も存在する。この言葉が相手から出た場合は、まず説得することは難しいことになる。

3番目は“simple”。最終的に人々に何かを伝えたいのであれば、「わかりやすさ」が極めて重要となる。「わかりやすさ」は、例えば10歳の子供に正確に伝わる「わかりやすさ」であり、大人にも自然に浸透する「親しみやすさ」であり、多くの人々の記憶に残る「インパクト」である。

昨今、各企業のCSR関連報告書を読ませて頂くと、業種・業界を意識したおとなしい内容になりがちで、その経営者の考え方や独自性を示す表現が少なく、結末が予想できる推理小説を読んでいる様な錯覚さえ感じることが多い。そこには人の心を打つ意外性や感動はない。企業がステークホルダーに何を納得させたいのかもわかりにくい。“ Entrepreneurship”(起業家精神)を示す「生きた言葉」を聞きたいものである。

白井邦芳「CSR視点で広報を考える」バックナンバー

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