媒体として売られたクチコミは「小さなマスメディア」にすぎない
「インターネットの普及は消費者が情報をコントロールする時代の到来」と言われて久しい。2006年、『TIME』誌は Person of the Year (今年の人)に [ You. (あなた自身)]を選び、米国の広告業界誌AdAge(アドエージ)は Agency of the Year(今年のベスト代理店)に[ the Consumer (消費者)]をあげた。この頃から日本でもCGM(Consumer Generated Media ただしこの言い方は日本でのみ。海外ではUGC: User-Generated Contentのほうが一般的なようだ)や WOM: Word of Mouth クチコミ、という言葉が話題になった。ブログの普及がきっかけとなり、そして2005年に生まれたユーチューブが「消費者主導の時代」を決定づける。メールが主たるユーザーコミュニケーションの手段だった時代と比べ、より伝搬力が強いソーシャルメディアによって消費者間の「つながり」が増強され、情報の流通パイプラインとしてどんどん成長してきた。