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震災後の消費者意識の変化が明らかに

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多くの人が情報の「発信側」に回った

筆者が以前のコラム「震災後の情報リテラシーが向上した背景とその今後」 で書いた「情報リテラシーの向上」について、記事を読まれた方から非常に大きな反響をいただいた。今回はその内容をフォローし、いただいたご意見への反応や前回の記事以降出てきたリサーチ結果などを紹介したい。

まず、情報リテラシーの向上に関して、それを断定するのは早すぎるのではないかというご意見をいくつかいただいた。それらによると、デジタルデバイドもあり、インターネットを使っていない層に関してはリテラシーは向上しないのではないか、というものである。確かにそのとおりで、私も日本人全体のリテラシーが満遍なく向上したとは考えていない。

しかし、それが一部であったとしても国全体として見れば間違いなく向上していると考える。震災後に検索数、情報系サイトへのアクセス、ソーシャルネットワークへのアクセス数やユーザー数が増加したことがその証拠といえよう。自ら積極的に必要な情報をとりに行く、あるいは情報の信頼性を検証する、そして自らの知識や意見を広めるという行為が数多く行われたことは、情報リテラシーの向上以外の何ものでもないと筆者は考えている。

また、情報を提供するマスコミや記者など、情報提供側のリテラシーが向上していないので該当しないという意見もいただいた。お断りしておくが、私は提供側のリテラシー向上に関して意見する立場にないし、個人的には向上していると考えている。同じ情報でも、震災後はその伝達方法が飛躍的に増えた。NHKや民放テレビ局は、一時的にユーストリームやニコニコ生放送でニュースが見られるようにした。これは電波は届かないがネット接続が可能な地域への配慮と同時に、震災関連情報は見逃しても後から見られるようにとの配慮からである。

個人が「人気番組」を持つ時代

一方、放送局自らが報道しなくても、その内容はソーシャルメディアでどんどん拡散していった。情報を提供する側に参加した人が飛躍的に増えたということである。例えばツイッターで被災地情報をリツイートしていることと、テレビ局が通信社のニュースを流すことに違いはあるのだろうか。筆者は、規模こそ違えど両方ともメディア(情報の媒介者)であることに間違いはないと考えている。つまり、個人のユーザーが自らの発信力や専門性を生かした形で、ブログや日記、ツイッターやフェイスブックなどを使って情報を拡散してゆくのである。

ユーストリームやニコニコ生放送などの配信方法を使って自ら番組を立ち上げることも可能である。原子力が専門である大前研一氏や、各種報道を自ら行っている上杉隆氏や岩上安身氏などの番組は非常に多くの視聴者を獲得し、そのメルマガは有料でありながらも非常に多くの読者を獲得している。実刑が確定している堀江貴文氏は自らのメルマガを収監されてからも代理人への口述で継続すると発表した日に、過去最大の読者を獲得したという。このように個人レベルでもかなりの影響力を持つ媒体(メディア)を運営することが可能になったのである。

しかし、何よりも個人の意識の変化の問題が大きいだろう。日本人はほかの国と比べ同質性があり、協調性が高いと言われている。自然現象に関するニュースも、桜の開花前線、入梅宣言、台風情報など全国共通の話題が比較的多いのではないだろうか。(次ページに続く)

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