シチュエーションをとらえて生活者の欲求を刺激する、提案型のサンプリングが効果を上げている。場所や時間などをセグメントすることで、「一方的」「ターゲットのミスマッチ」など、従来のサンプリングが持っていた課題も解消できる。
Case1:コンセプトカフェでの「ライフスタイル提案型」サンプリング
森永クリープカフェ(インストアメディア社)

「森永クリープカフェ」の外観。クリープのロゴや商品ビジュアルを使い、
同商品をアピールするメディアとして店舗を最大限に活用した

シチュエーションを重視する新たな手法として台頭してきたのが、コンセプトカフェでの「ライフスタイル提案型」サンプリングだ。この分野の事例を数多く手掛けるインストアメディア社取締役の西野太郎氏は「カフェでのサンプリングは、ターゲットとなる来店客がリラックスした状態でいるので、サンプル品が受け入れられやすい」と話す。
昨年、同社が企画・運営を手掛けている「トラベルカフェ 新宿サザンテラス店」で展開した「森永クリープカフェ」も、上記のメリットを生かした提案型のサンプリング企画だ。同企画は、森永乳業のインスタントクリーミングパウダー「森永クリープ」のサンプリングを中心に、同商品のさまざまな使い方をカフェの来店客に提案したというもの。オリジナルメニューの試食会を行ったほか、クリープを使った料理のレシピ集をサンプル品と一緒に配布するなど、単に配るだけに終わらない提案型の内容で商品をアピールした。